本研究の目的は、組織階層がフラット化することで出現するフラット型組織において、従来インセンティブ・システムとして機能してきた昇進構造がどのように変化するのかという点をキャリアの停滞を意味するキャリア・プラトー現象の観点から明らかにすることである。したがって、まず、組織構造の変化とキャリア・プラトー現象の連関について、先行研究を通じて検討した。次に、その結果をふまえ、フラット型組織においてキャリア・プラトー現象の特徴が実際に変化しているのか、そしてそれを引き起すようなインセンティブ構造の変化が生じているのか否かという点を、ケーススタディおよびアンケート調査によって分析している。以上の結果をまとめた成果が、2009年3月に、博士論文として神戸大学に承認された。
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