本研究では、アフガニスタンの初等教育段階における障害児教育分野への国際協力支援に必要な基礎的資料を明示することを目的とし、平成20年度は、平成19年度に収集した資料と新たに収集した資料を整理した。収集した資料を、教育政策、盲・聾学校の教育、通常学校の教育、保健医療、リハビリテーション、地雷による障害の別に整理し、アフガニスタンの障害児に関連する実態をまとめた。さらに同国の障害児初等教育への国際支援のあり方について検討するために、同国およびその他の途上国の障害児教育分野への国際協力に関する資料を収集、整理し、その支援方法について比較・検討した。 1.同国の障害児初等教育に関する実態と支援ニーズの要素:資料から実態を整理した結果、障害児初等教育のニーズを検討する際には、教育(ハード面、指導法や教員養成等のソフト面)以外に、保健・医療(障害予防、早期発見、就学前の早期療育、リハ)、障害理解(教育・福祉統計の公表、教員、健常児・者の障害理解の促進)、保護者支援(子どもの理解と家庭療育)、政策などの分野に課題があることが明らかになった。 2.同国の支援の現状と支援方法の検討:障害児への支援方策の視点ついて、CBRをはじめとする途上国における支援アプローチに関する資料を収集、整理し、現在の同国の障害児支援の適用について検討した。今後の課題:先行研究及び支援実践資料に基づき、同国の障害児初等教育への支援方策を検討し、同国に適した障害初等教育への支援のあり方を提案する必要があるだろう。 (育児休業等による研究中断のため、休業終了後に研究再開予定)
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