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2007 年度 実績報告書

持続的な平和構築を可能とする国際経済秩序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19830013
研究機関千葉大学

研究代表者

妹尾 裕彦  千葉大学, 教育学部, 准教授 (70451739)

キーワード平和構築 / 破綻国家 / 脆弱国家 / 一次産品農産物 / コーヒー / 国際商品協定
研究概要

まず環境整備を行ないつつ、破綻国家論・平和構築論・コーヒー生産等に関する資料収集に努めた。また、コーヒーに関連する統計データの収集整理にも取り組んだ。さらに幾つかの学会やセミナーに出席し、研究動向等を把握するとともに、この分野の研究者との間で、情報交換・意見交換・ディスカッションを行なった。とりわけ国際コーヒー機関(ICO)事務局長ネスター・オソリオ氏から、国際コーヒー生産の将来展望を伺うことができたのは大きな収穫であった。
以上に基づいて、第一に、破綻国家論・平和構築論において盲点となりがちな論点を追究した。既存の平和構築論は、近代的国民国家の根幹となる租税制度の確立と発展に関する議論を十分に取り込んでいない。他方で、本研究で焦点をあてる破綻国家の脆弱性とは、熱帯産一次産品農産物の生産・輸出に依存することに起因するものであり、まさにこの依存こそは、近代的な国民国家の形成をむつかしくする租税収入の乏しさと不安定性をもたらす大きな要因となっている。したがって、熱帯産一次産品農産物の特性から破綻国家における平和構築にアプローチしていく必要性が判明した。第二に、その熱帯産一次産品農産物の一種であるコーヒーの国際的な生産・輸出に関する論点を追究した。コーヒー生産国のうち、1990年代以降はアフリカの生産諸国が最も大きな打撃を受けたことを明らかにし、その原因の検討を進めた。第三に、国際商品協定に関する論点整理を行なった。同協定は近年、評判が芳しくないが、少なくともコーヒーとカカオに関する限り、これらの評判の低さには些か不当な部分もあることが判明した。他方で、国際商品協定の復活に向けては、理論的可能性が残されている一方で、現実的な困難があることもわかった。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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