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2007 年度 実績報告書

社会的認知のモジュール性と構成成分間の機能連関にっいての神経心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19830025
研究機関三重大学

研究代表者

郷右近 歩  三重大学, 教育学部, 講師 (00452219)

キーワード脳損傷 / 社会的認知 / 心の理論 / 他者感情の評価処理 / 表情識別課題
研究概要

本年度は,心の理論課題を通過できる者が依然として社会的認知に関する困難を示す機序にていて明らかにすることを目的とした。着目したのは,他者感情の評価処理の能カである。心の理論課題にはほとんど困難を示さない脳損傷事二例1名(および健常対照群14名)を対象として,表情識別課題を実施した。(それに先立ち,実験課題の構築と予備実験の実施を行った。)その結果,健常対照群と比較して,本事例は「怒り」と「恐れ」の識別に顕著な困難を示すことが明らかとなつた。その他の「幸せ」「嫌悪」「悲しみ」「驚き」といった表情の識別について,本事例と健常対照群の成績との間に顕著な差は認められなかった。このことから,本事例の場合,他者の「怒り」や「恐れ」といった表情の識別が困難なため,たとえ心の理論課題の通過が可能であっても,日常生活場面における他者とのかかわりの中では齟齬が生じていた可能性が示唆された。また,実験課題で用いたような基本的で明瞭な表情の識別にすら困難を示していたということは,日常生活における他者とのかかわりの中で直面するであろう様々な表情の識別は,本事例にとってより困難であろうことが示唆された。このような課題成積自体が貴重な知見であるが,本事例と同様の傾向を示す人々が,日常生活における他者とのかかわりの中でどのような振る舞いを示しているかということについての報告は極めて乏しく,この点の検討を来年度の課題とする。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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