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2008 年度 実績報告書

地域雇用創出政策の貧困削減効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19830032
研究機関九州大学

研究代表者

浦川 邦夫  九州大学, 経済学研究院, 講師 (90452482)

キーワード地域間格差 / 貧困 / 再分配
研究概要

本研究の主な目的は、貧困が生じる要因とそれらに関する政策的対応についての考察を踏まえながら、地域間の様々な格差を縮小させる政策が、我が国で拡大傾向にある貧困に対してどの稗度の効果を発揮しうるかについて、社会保障制度の効果と比較検討しながら分析を行うことにある。
平成19年度は、分析の第一段階として、日本の各地域の貧困がどのような状況にあるか、また貧困と人々の生活行動はどのように関連しているかについて分析を行い、それらを学術論文としてまとめた。分析からは、地域内の格差・貧困と当該地域の住民の生活満足度に一定の相関があることが示されており、格差の拡大がその地域の住環境にマイナスの影響を与えている可能性が示唆された。
また、貧困削減策の一つとしてベーシック・インカム政策を取り上げ、政策の導入が、格差・貧困の縮小にどのような影響をもたらすかについて最適課税の理論モデルを基礎として簡単なシミュレーションを行った。
平成20年度は、「平成19年賃金構造基本統計調査」のデータに基づき、地域間の賃金格差に対して地域の産業構造がどのような影響を与えているかについて、ジニ係数の要因分解の手法を用いながら検討を行った。また、地域間における純粋な賃金格差を縮小させる政策や、地域内における企業規模間賃金格差を縮小させる政策が実施された場合に、それらの政策が全体の格差、貧困に対してどの程度の影響をもたらすかについて、シミュレーション分析を行った。推定結果からは、我が國においては、主に「製造業」に従事する労働者の賃金格差を縮小する政策が、貧困の削減に比較的大きな役割を果たす点が示唆された。また、「医療・福祉業」といった産業部門で働く労働者の賃金引上げも、貧困削減に対して一定の効果を持つ点を示した。
最後の研究成果については、現在、発表論文として学術誌に投稿中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 夫の家事育児参加と出産行動2009

    • 著者名/発表者名
      小葉武史, 安岡匡也, 浦川邦夫
    • 雑誌名

      季刊社会保障研究 44巻4号

      ページ: 447-459

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 2000年代前半の貧困化傾向と再分配政策2008

    • 著者名/発表者名
      小塩隆士, 浦川邦夫
    • 雑誌名

      季刊社会保障研究 44巻3号

      ページ: 278-290

  • [雑誌論文] 貧困化する日本の世帯 -2000年代前半における所得格差・ 貧困・極化-2008

    • 著者名/発表者名
      小塩降士, 浦川邦夫
    • 雑誌名

      国民経済雑誌 198巻2号

      ページ: 40-54

  • [雑誌論文] Trends in Poverty among Low-income Workers in Japan since the 90s.2008

    • 著者名/発表者名
      Tachibanaki, T, Urakawa, K.
    • 雑誌名

      Japan Labor Review Vol. 5, No. 4

      ページ: 21-47

  • [学会発表] The impact of marginal commodity tax reform in Japan and Korea2008

    • 著者名/発表者名
      浦川邦夫
    • 学会等名
      日本応用経済学会
    • 発表場所
      熊本学園大学
    • 年月日
      20080607-20080608

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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