• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

CSR情報開示におけるステイクホルダー関与アプローチの実態調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 19830035
研究機関神戸大学

研究代表者

堀口 真司  神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (10432569)

キーワードCSR
研究概要

本研究の目的は、ステイクホルダー関与アプローチの実態を、理論的側面および実践的側面の両方から明らかにすることである。近年、環境報告書やCSR報告書、サステナビリティ報告書といった報告書を作成する企業が増えてきている。欧州では、最近、これらの報告書における記載事項を決定する際に、ステイクホルダー・エンゲージメント(関与)というプロセスを実践する企業が現れ始めている。こうした動向を踏まえ、本研究では、ステイクホルダー・エンゲージメントという実践を社会環境情報の報告プロセスの中に位置づけることの意味を理論的に検討し、それがどのような機関によって推進されており、またそうした実務がどの程度普及しているのかについて、明らかにすることを目的としていた。
まず、理諭的側面の検討として、企業とステイクホルダーの関わりという観点から、社会環境報告やステイクホルダー・エンゲージメントが注目されてきた背景には、アカウンタビリティという考え方があったことを明示している。その考え方のもとでは、企業の経営活動の結果について、ステイクホルダーに対して説明可能な状態を保つことができるかどうかが、企業とステイクホルダーの良好な関係を構築する上で決定的に重要な問題となる。その中で、ステイクホルダーの情報ニーズを識別する必要性が生じ、そのために取り組まれるようになっているのが、ステイクホルダー・エンゲージメントという実践であった。
こうした理論的背景に対して、これらの実践を具体的に推進している団体として、イギリスのAccountAbility研究所が挙げられる。当該機関は、2005年にステイクホルダー・エンゲージメントに関する基準書を発行しており、さまざまな組織によって、そうした基準書を参考にしながら社会環境報告書を作成することが奨励されていることがわかった。
さらに、本研究では、社会環境情報の報告プロセスの中にステイクホルダー・エンゲージメントという実践を位置づけることの意味を批判的に検討し、企業とステイクホルダーとの関わりを考える場合、より広範な視野から理論化していくことの必要性を明示したことが重要な貢献であり、それにあわせて今後の課題も提示している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ステイ. クホルダー・エンゲージメントの理論的定位2008

    • 著者名/発表者名
      堀口 真司
    • 雑誌名

      社会関連会計研究 20号

      ページ: 65-75

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi