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2007 年度 実績報告書

フランス移民政策の変容と社会的権利:女性移住者による「承認」をめぐる仲介を事例に

研究課題

研究課題/領域番号 19830042
研究機関香川大学

研究代表者

園部 裕子  香川大学, 経済学部, 講師 (20452667)

キーワード社会学 / フランス / 移民
研究概要

フランスの移民政策、都市政策の変容と移住者団体の役割について社会学、政治学等の分野を中心に網羅的な文献調査を行った。そこから、1.2004年の「差別への闘いと平等のための高等機関(HALD)」設立に象徴されるフランスの「差別」対策においては、移民や外国人を特別に対象としている訳ではないこと、2.2005年の「暴動」もきっかけとなり移住者、移民出身者やマイノリティ集団の被る差別への認識は高まったが、具体的な対策が検討されている訳ではないことが分かった。他方でマイノリティ集団など当事者による情報発信が活発化しており、移住者団体が差別解消において果たす役割も重要性を増している。
また具体的事例についてのデータを収集するため、フランス、パリ市を中心に、女性移住者団体における参与観察を含めた一ケ月の現地調査を行った。ここでは既にボランティア相談員として参与観察を行ってきたパリ市内の団体において、2005年の「都市暴動」後の人員増の枠で仲介者契約を獲得した団体の仲介者らの協力をえて、地域行政と連携した団体活動の実態を把握した。一夫多妻婚世帯への支援など移民コミュニティの社会的権利の向上を目指した活動は、行政の補助金を獲得するなど、一定の評価を得つつある。だがフランス全体の住宅をめぐる困難もあり、被支援世帯の生活条件は改善されたとは言い難い。また職種別の入国審査が行われることになるなど、移民政策の転換が定住者の社会的権利の改善においてどのような影響をもたらすのかについては、引き続き分析を続ける必要がある。
以上の研究の経過をまとめ、女性移住者の活動経歴および団体運営についての聞き取りから、フランスの移民政策の変容と移民の社会参加について考察する論文、また参与観察先団体の一夫多妻婚世帯支援活動の経過についてまとめる論文を執筆し、日本社会学会大会等において発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 「女性仲介者の語りにみるフランスの移民政策の変容」2007

    • 著者名/発表者名
      園部 裕子
    • 雑誌名

      『香川大学経済論叢』 80

      ページ: 135-173

  • [学会発表] 西アフリカ系女性移住者の地位と社会的権利-一夫多妻婚世帯への支援活動を事例に2007

    • 著者名/発表者名
      園部 裕子
    • 学会等名
      2007年度フランス語フランス文学会中国・四国支部大会
    • 発表場所
      香川大学
    • 年月日
      2007-12-01
  • [学会発表] 「自発的活動から国家の「承認」を求めて-フランスにおける西アフリカ出身女性仲介者の活動経歴にみる移民の「参加」」2007

    • 著者名/発表者名
      園部 裕子
    • 学会等名
      第80回日本社会学会大会
    • 発表場所
      関東学院大学
    • 年月日
      2007-11-17

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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