本研究は、アメリカ合衆国における「学校評価」の方法と評価結果の政策利用のあり方に関して、米国内・各学区の教育行政局への調査訪問を踏まえて明らかにしている。 始めに日本で一様に「評価」と訳される複数の語の定義を確認し、米国で一般に理解される「外部評価・内部評価」の概念を検証した。事例対象とした(1)ミルウォーキー市学区(2)ケンブリッジ市公立学校区(3)デザートサンズ統一学校区(4)マイアミ・デード郡学区の「学校評価システム」では、「評価項目」に多様性が見られるものの、NCLB法の影響により「州テスト」が評価の軸とされている。一方、「州テスト」で評価指標となる「習熟レベル」の設定方法については、州の教育行政局が主導となり、各学区の現場教員を召集して基準設定を行う。これらの学校評価」は、「教員免許法」の改定と州立大学教育学部の教育課程にも改革をもたらした。
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