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2007 年度 実績報告書

日本におけるアメリカ合衆国の精神薄弱児教育の受容と放棄に関する歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19830116
研究機関目白大学

研究代表者

高野 聡子  目白大学, 人間学部, 講師 (00455015)

キーワード精神薄弱児教育 / アメリカ合衆国 / 精神薄弱児施設 / 川田貞治郎 / 石井亮一 / 知的障害児教育 / 知的障害者施設 / 知的障害児施設
研究概要

本年度は、わが国の精神薄弱児教育の内容と方法が、アメリカ合衆国の精神薄弱児教育から、何を受容し放棄したのか、またその理由について明らかにするため、滝乃川学園を創設した石井亮一(1867-1937、明治24[1891]年創設、創設時の名称は聖三一孤女学院)と藤倉学園の川田貞治郎(1879-1959、大正8[19191]年創設)を対象とし、彼らがどのような教育内容と方法を学んだのかについて検討した。
石井と川田らは、戦前に創設された精神薄弱児施設の施設長の中でも、とくにアメリカ精神薄弱者施設に滞在した経験を持つため、彼らを対象にしたことによって、彼らがアメリカの精神薄弱者施設において学んだ内容を分析することができた。とくに、川田の場合、施設運営の方針において対照的であった法人立のヴァインランド精神薄弱者施設(The Training School at Vineland.)、ペンシルヴェニア州立ウェスタン・ペンシルヴェニア精神薄弱者施設(The State Institution for Feeble-minded of Western Pennsylvania.)に滞在していたため、彼が学んだ内容と、それらを受容し、放棄した理由に関する分析に着手した。また川田は、渡米以前から、低能児教育の方法として心練を考案し実施:していたため、渡米前とアメリカ滞在中の心練の内容についても検討した。その結果、川田はアメリカ滞在によって、さらに教育的治療学という名称を用いて、精神薄弱児教育の内容と方法を具体的に構想するようになり、その構想に際しては、ヴァインランド精神薄弱者施設の研究所で行われていた精神薄弱に関する研究内容の示唆を受けていたことが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 川田貞治郎の日本心育園における低能児教育としての心練の実践2007

    • 著者名/発表者名
      高野 聡子
    • 雑誌名

      障害科学研究 32

      ページ: 61-73

    • 査読あり
  • [学会発表] 川田貞治郎の藤倉学園における精神薄弱児教育・保護機能とその性格-昭和13年(1938)年頃から-昭和19(1944)年の疎開前まで-2007

    • 著者名/発表者名
      高野 聡子
    • 学会等名
      社会事業史学会第9回大会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2007-05-19

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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