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2007 年度 実績報告書

半導体光励起状態における量子協力現象と動的応答

研究課題

研究課題/領域番号 19840031
研究機関大阪大学

研究代表者

大橋 琢磨  大阪大学, 理学研究科, 助教 (20452419)

キーワード物性理論 / 半導体物性 / 光物性 / 強相関電子系 / 高性能レーザー
研究概要

半導体の光励起状態(電子-正孔系)における金属-絶縁体転移(励起子モット転移)や量子凝縮転移を理解することは、レーザー発振への応用や光超放射の実現に向けた第一歩として重要であるうえ、基礎物理学としても非常に興味深い。しかし、このような相転移現象を理論的に正しく記述するためには多体相関効果を適切に取り扱う必要がある。本研究では、動的平均場理論を拡張した方法により、この系の励起子モット転移および量子凝縮転移を理論的に研究する。
電子-正孔系における励起子モット転移を調べるために、長距離クーロン相互作用の効果を取り入れた動的平均場理論の構築を行った。この方法は、系の空間次元が大きい場合に正しい近似である。特に、電子間・正孔間の斥力相互作用と電子-正孔間の引力相互作用が異なっている場合、励起子モット転移に劇的な変化が現れることを明らかにした。斥力と引力相互作用が等しい場合、短距離相互作用を仮定した場合と比べて、励起子モットに大きな違いが現れないが、斥力が引力より少しでも大きい場合、励起子の密度波揺らぎが劇的に大きくなる。この密度波の揺らぎにより系は金属的状態から絶縁体的状態へと一気に変化することがわかった。更なる研究の発展として、現在、この系の光学応答を正確に計算する手法の開発を行っている。この際に重要な点として、励起子モット転移前後の光学応答を調べるためには、よく知られた梯子近似などの方法を越えた近似が必要となることである。そこで、動的平均場理論の枠内で、有効相互作用を正確に計算せる定式化を行った。この方法を用いて光学応答を調べることが、次年度における最初の課題と考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 二軌道ハバード模型のモット転移に対する非局所的スピン・軌道揺らぎの効果2007

    • 著者名/発表者名
      北倫子、大橋琢磨、菅誠一郎
    • 学会等名
      日本物理学会2007年年次大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20070900
  • [学会発表] 有限温度モット転移の拡張動的平均場理論による解析2007

    • 著者名/発表者名
      上田倫也、大橋琢磨、川上則雄
    • 学会等名
      日本物理学会2007年年次大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20070900
  • [学会発表] クラスター摂動法を用いた電子-正孔系の解析2007

    • 著者名/発表者名
      西田拓人、浅野建一、冨尾祐、大橋琢磨、小川哲生
    • 学会等名
      日本物理学会2007年年次大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20070900
  • [学会発表] 励起子モット転移における長距離クーロンカの効果:拡張動的平均場理論による研究2007

    • 著者名/発表者名
      大橋 琢磨
    • 学会等名
      日本物理学会2007年年次大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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