1.直流電源系の導入、真空加熱配管系の設計および製作、そして低温消磁のための専用システムの設計および製作など、低温消磁2回加熱ショー法による絶対古地磁気強度測定に必要な機器環境の構築を完了した。アイスランド溶岩からの実際の測定を目指してテスト試料による測定も開始したが、試料加熱時間などの実験条件の最適化までには至らなかったため、平成20年度もテスト試料による最適実験条件の洗い出しを継続する。 2.Sudurdalur地域から採取された全ての溶岩(約100枚)およびLundarhal地域から採取された溶岩の1/4程度(約40枚)からそれぞれ代表的な試料を1個ずつ選定し、常温ヒステリシス測定および高温誘導磁化測定を行った。その結果、一部に低温酸化を受けていると判断される試料があることが判明したものの、全体的には適度な高温酸化を受けた試料が多く、低温消磁2回加熱ショー法の適用に向いていると思われる試料が多いことが明らかになった。全ての溶岩についての測定は完了しなかったため、平成20年度も、Lundarhal地域の残りの溶岩および他地域の溶岩について、岩石磁気測定を継続する。 3.本年度の後半から、低温消磁2回加熱ショー法による予察的な絶対古地磁気強度測定を開始する計画であったが、絶対古地磁気強度測定のための環境整備に時間がかかりテスト試料による最適実験条件の洗い出しが完了しなかったため(上記1)、アイスランド溶岩試料を用いた予察的な測定は開始することができなかった。平成20年度は、予察的な測定を開始できる見込みである。
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