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2008 年度 実績報告書

放射線を用いた気体から液体にわたるキセノン物性変化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19840047
研究機関早稲田大学

研究代表者

小林 進悟  早稲田大学, 理工学術院, 助手 (10434325)

キーワードキセノン / Xenon / 電離・励起過程 / W値 / Ws値 / 高圧 / シンチレーション / 超臨界
研究概要

Xeにα線を照射し、その際のシンチレーション発光・電離を観測することで、気体から液体にわたるキセノン物性変化を解明することが本研究の目的である。そこで、最初に物理的に最も単純な希薄な気体Xeを精密に調べ、その後、高密度Xeに関して研究を進めた。
これまで低圧Xeの1つのXe励起子を生成するのに必要な平均エネルギー(Wex)が不明であったが、様々な不確定因子を実験的に検討・確認した結果、Xe密度が0での値は34.1+/-2.4eVと決定し、以前から続く議論に終止符を打つことができた。またW値は、20.9+/-0.4eVと決定した。以上の低密度領域での測定結果と以前行なわれた高密度下での発光や、Xe中での電子輸送の測定結果からXe物性の密度変化に関して次のことがいえる。
低密度でのWex,Wの結果は、Date et al.(NIM,2003)がXe原子の電離・励起断面積から数値計算で求めた値に非常に近く、Xeが0~0.1g/Gm3の密度領域ではXe原子間の相互作用による電離・励起ポテンシャルの変化は効かず、Xeの原子的な振る舞いが主に支配しているという重要な結果が得られた。その一方で同密度領域でのXe中の電子の移動度、拡散係数はわずかに密度に依存するため、そのようなメカニズムを考案する必要がある。0.2g/cm3以上の密度領域ではシンチレーション発光量は減少してゆくが、発生電子数・光子数の測定結果から推測すると液体Xeの研究でわかっている消光効果が起こっている可能性がある。
さらに本研究ではXeシンチレーション発光の時間経過を丹念に調べたことから、付随的にα線が作るXeイオン・電離電子の再結合過程に関する重要な知見が得られている。
これらの成果は、Jpn.J,Appl.Phys.及びNucl.lnstrum.and Meth.にて公表する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] PRESSURE DEPENDENCE OF WS-VALUE IN XENON GAS2008

    • 著者名/発表者名
      M. Mimura, S. Kobayashi, et al.
    • 雑誌名

      KEK Proceedings 2008-14

      ページ: 126-132

    • 査読あり
  • [学会発表] キセノンガスの再結合発光中に含まれる遅い成分の密度依存性2009

    • 著者名/発表者名
      三村光輝, 小林進悟, ほか
    • 学会等名
      研究会「放射線検出器とその応用」(第23回)
    • 発表場所
      筑波
    • 年月日
      20090127-20090129
  • [学会発表] Absolute Numbers of Sointillation Photons and Electrons Produced by Alpha Particles in High-Density Xenon Gas2008

    • 著者名/発表者名
      M. Mimura, S. Kobayashi, et al.
    • 学会等名
      IEEE Nuclear Science Symposium
    • 発表場所
      Dresden, German
    • 年月日
      20081019-20081025

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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