NpPd_5Al_2はNp化合物で初めて見つかった重い電子系超伝導体(T_c=4.9K)である。本物質の超伝導対の対称性を解明する目的で、^<27>Al NMRの核スピン格子緩和時間とナイトシフトを測定した。超伝導転移直下において、核スピン格子緩和時間にs波超伝導に特徴的なコヒーレンスピークは見られず、本物質の超伝導ギャップは異方的であることがわかった。ナイトシフトは超伝導転移で明らかに減少しており、超伝導対は一重項状態であることがわかった。また、核スピン格子緩和時間とナイトシフトのTc以下の温度依存性から、超伝導ギャップは2Δ/k_BT_c=6.4と見積もられ、比較的大きな値であることがわかった。以上のことから、NpPd_5Al_2が強結合系d波超伝導体であることを解明した。
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