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2008 年度 実績報告書

光学活性ビナフチルジカルボン酸触媒の機能探求

研究課題

研究課題/領域番号 19850008
研究機関京都大学

研究代表者

橋本 卓也  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (20437198)

キーワード有機分子触媒 / ブレンステッド酸 / アシルアニオン等価体 / アジリジン / カルボン酸 / 触媒的不斉合成
研究概要

有機酸触媒を利用した触媒的不斉合成においては、その水素結合供与体の酸性度が反応実現の鍵であるため、光学活性アルコール、チオ尿素、リン酸などのようにそれぞれ反応系に応じて使い分ける必然性が生じる。しかしながら、もっとも一般的な弱酸であるカルボン酸を有機酸触媒として用いた報告は、研究代表者が平成19年度の若手スタートアップにおいて軸不斉ジカルボン酸の創製とさらに高エナンチオ選択的不斉マンニッヒ型反応に成功した例を除いてほとんど存在しない。そのような現状において、本触媒に特異的な新しい分子変換の開発を指向し平成20年度の研究を行った結果、そのひとつとして高エナンチオ選択的不斉イミノアザエナミン反応の開発に成功した。本反応系では他の有機酸触媒と比較し立体選択性に優れていることのみならず、芳香族由来のアザエナミンを利用することに初めて成功したことも特筆すべき点である。なお生成物はオゾン分解などの簡便な官能基変換により光学活性α-アミノケトンに変換可能であることから高い合成的価値を有する。またもう一つの重要な成果として、既存のルイス酸触媒においてはシス体が優先することが知られているジアゾ化合物とイミンとのアジリジン化反応において、軸不斉ジカルボン酸を触媒としてもちいることによりトランス体を高立体選択的に生成することに成功した。本研究成果はジアゾ化合物とイミンを用いて光学活性アジリジンを合成する触媒として有機分子が有効であることを初めて明らかにしている点でも興味深い。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Asymmetric Imino Aza-enamine Reaction Catalyzed by Axially Chiral Dicarboxylic Acid : Use of Arylaldebyde N, N-Dialkylhydrazones as Acyl Anion Equivalent2008

    • 著者名/発表者名
      Takuya Hashimoto, Maya Hirose, Keiji Maruoka
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 130

      ページ: 7556-7557

    • 査読あり
  • [雑誌論文]2008

    • 著者名/発表者名
      Takuya Hashimoto, Nanase Uchiyama, Keiji Maruoka
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 130

      ページ: 14380-14381

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Design of an Axially Chiral Dicarboxylic Acid and Its Application in Syntheses of Optically Active β-Amino Acids and β-Amino Phosphonic Acid Derivatives2008

    • 著者名/発表者名
      Takuya Hashimoto, Keiji Maruoka
    • 雑誌名

      Synthesis

      ページ: 3703-3706

    • 査読あり
  • [学会発表] 軸不斉ジカルボン酸触媒によるジアゾアセトアミドとイミンのトランス選択的不斉アジリジン化反応の開発2009

    • 著者名/発表者名
      橋本卓也, 内山七瀬, 丸岡啓二
    • 学会等名
      日本化学会第89春季年会
    • 発表場所
      日本大学理工学部
    • 年月日
      2009-03-29

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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