研究課題
析出還元法によりポリ(メタクリル酸メチル)などの高分子微粒子に金錯イオンからNaBH_4で還元することにより、金ナノ粒子をおよそ10nm以下で直接担持した。従来、金属ナノ粒子のサイズを小さくするためには、還元剤を一度に加え、すばやく核生成させることが必要であったが、ポリ(メタクリル酸メチル)などの表面に親水性の官能基を持たない高分子に対しては、還元剤を滴下した方が小さな金ナノ粒子が得られることを見出し、その生成機構について考察した。また、この高分子担持金触媒を用いてNaBH_4存在下、4-ニトロフェノールの還元を行ったところ、これまで報告されている高分子担持金ナノ粒子触媒よりも高い触媒活性が得られた。配位高分子・セルロースを担体として用い、固相混合法により金を平均2nmのクラスターサイズで直接担持した。この触媒を用いてアルコール酸素酸化、ニトロベンゼンの水素還元に対する触媒活性を評価した結果、金のサイズよりも配位高分子の種類によって触媒活性・生成物選択性が大きく変化することが明らかとなった。具体的には、メタノール中炭酸カリウム添加でのベンジルアルコール酸化ではルイス酸性を有する配位高分子担体ではベンズアルデヒド、それ以外の担体では安息香酸メチルが選択性良く得られた。ニトロベンゼンの水素によるアニリンヘの還元では、金のサイズは約2nmとほぼ同程度であるにも関わらず、ルイス酸性の配位高分子担持金クラスターではほとんど触媒活性を発現しなかったのに対し、セルロース担持金触媒では触媒活性が発現し、無機酸化物担持金触媒とほぼ同程度のアニリン収率が得られた。また、長鎖アルコールの水中での酸素酸化では、触媒担体(無機酸化物)を選択することにより、アルカリ無添加でアルデヒドが約70%の選択性で得られた。
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Journal of Colloid and Interface Science (In pressのため未定)
ページ: DOI:10.1016/j-jcis.2008.02.046
Angewandte Chemie International Edition 46
ページ: 7154-7156