研究概要 |
研究目的においてはランダム化アルゴリズムに基づく集合論のモデル予測制御への拡張およびこれまでの研究の実機における検証を予定していた.このうち,モデル予測制御への拡張は成功を収め,閉ループ系の確率的な安定性の保証や確率的に拘束を許容する集合の構成法の提案を行い,これらの結果は現在論文誌への投稿準備中である.次に,実機への検証に関しては,提案法を実装する実験システムは構築したものの,実験機ベースのものよりも挑戦的な産業応用における予測制御の適用という課題に重点的に取り組み,国際会議における発表および書籍への掲載という形で高い評価を得ることに成功した.また,これまでの研究の発展として,外乱を有するシステムに対する確率的出力許容集合の構成法や時変な不確かさを有するシステムに対する同集合の構成法を提案し,それぞれ国際会議および国際論文誌に投稿し,採録された.また,前者に関しては現在論文誌への投稿準備中である.加えて,ここでの知見を生かしてランダムに現れるターゲットに対する探索予測制御や分散電源の制御問題を想定した分散予測制御法を提案し,それぞれ国内会議と国内論文誌に採録されている.これらはまた国際会議や国際論文誌にも投稿中である.以上のように,査読プロセスの問題で具体的な形となっていないものも複数あるが,今後本研究課題の内容が国際会議論文や国際論文という形で評価を受けることは十分期待できると考えている.
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