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2007 年度 実績報告書

演奏者と音楽ホールの相互作用の研究-響きに応じた演奏表現の音響学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 19860046
研究機関大阪大学

研究代表者

加藤 浩介  大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 助教 (90444504)

キーワード音楽 / 演奏 / 音響
研究概要

音楽ホールの新設・改修・有効活用および演奏教育のための基礎研究として、三次元音場シミュレーションによる響きの呈示下での実験と、そこで得られた演奏音の音響分析を組合せるという新たな試みにより、第一線で活躍する熟練の演奏家らがホールの音響条件に応じて演奏表現を調整することを確認し、その調整の度合いを定量的に把握することを目的として実験を通して検討を行った。本研究に先立つ試奏実験において楽器演奏家らから「響く音場では響かない音場と比較して"間を長く"あるいは"発音時間を短く"演奏する」というコメントが多く得られ、収録された演奏音を用いた第三者による試聴実験においてもアーティキュレーションに関する差異が知覚されたことを踏まえ、プロの楽器演奏家4名の協力を得て音場シミュレーションシステムを使用した試奏の収録音について、アーティキュレーションに関する音響特徴量を抽出して分析を行った。その結果、「ホールの響きに応じて演奏表現が変わる」と明言していた演奏家3名(バイオリン奏者1名、オーボエ奏者1名、フルート奏者1名)の演奏音のNote-on ratio(隣接するonset間隔IOIに対する発音時間長Note-on durationの比率)には音場条件によって有意な差異があることが示された。とりわけ、3名の中で音場によるアーティキュレーションの調整の度合いが最も大きかったオーボエ奏者1名の演奏音のNote-on ratioの値は、残響時間3.1秒のカトリック教会のシミュレーション音場条件下では、残響時間1.4秒の小ホールのシミュレーション音場条件下と比べて8%、無響室と比べて15%小さいことを確認した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] ホール音響に応じた演奏表現の調整-音響分析による演奏音の差異の定量的検討-2008

    • 著者名/発表者名
      加藤浩介、上野佳奈子、川井敬二
    • 学会等名
      日本音響学会2008年春季研究発表会
    • 発表場所
      東京大学本郷キャンパス
    • 年月日
      20080316-19
  • [産業財産権] 演奏技能修得支援装置と支援方法2007

    • 発明者名
      加藤浩介、上野佳奈子、川井敬二
    • 権利者名
      大阪大学熊本大学
    • 産業財産権番号
      特願2007-225915
    • 出願年月日
      2007-08-31

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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