研究概要 |
多様体上の非線形制御系の大域漸近安定化問題について,以下を明らかにした. 1. 従来法では連続制御則では大域漸近安定化不可能である系について,動的補償器を用いることで連続制御則による大域漸近安定化を実現するためのある十分条件を示した. また,制御Lyapunov関数を拡張した一般化制御Lyapunov関数を新しく定義し,それを用いて上記の連続な大域漸近安定化制御則のある設計法を提案した.さらに,ある可制御系に限定されるが,上記の大域漸近安定化制御則を設計するアルゴリズムを提案した. 2. 非線形制御系について,任意の初期状態から目標状態へと収束させる不連続制御則が存在することを大域漸近可制御性と呼ぶ.本研究では,多様体上の制御系においてもある一般化制御Lyapunov関数の存在性が大域漸近可制御性を導くことを明らかにした. 3. 制御系に加法的に加わる外乱・モデル誤差についてのある大域漸近安定化制御則のロバスト性について考察した.具体的には,ある一般化制御Lyapunov関数が存在する多様体上の非線形制御系について,大域漸近安定性が加法的な外乱に対してロバストであるためのある必要条件を明らかにした.ここで外乱に対してロバストであるとは,任意の大きさの外乱に対して,目標状態を大域漸近安定化可能な時不変で状態について不連続な状態フィードバック制御則が存在することを意味する.
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