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2007 年度 実績報告書

空調システムにおける省エネ運転・診断ツールの実装に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19860058
研究機関九州大学

研究代表者

住吉 大輔  九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 学術研究員 (60432829)

キーワード省エネルギー / 建築環境・設備 / 最適化 / 不具合検知 / シミュレーション
研究概要

本研究では、建物の空調システムの運用において、様々な不具合を迅速に検知し、診断する「フォルト検知診断」と空調システムの制御上の各種設定値を状況に応じて適切なものにする「空調システム運用の最適化」を軸とする省エネ診断ツールを空調システムに実装するため、ツールの開発・改良を進めた。
フォルト検知診断ツールについては、昨年度までに開発したフローチャート形式のツールを改良し、空調システムシミュレーションを用いたモデルベースの手法として再構築した。この手法は、空調時間帯の基準階室内温度、空調システム全体目積算電力消費量、熱源機日積算電力消費量の3項目について、実測値:とシミュレーション値との偏差をとり、あらかじめ計算しておいた不具合状態との比較によりもっとも近いものを探し出すというシンプルな手法である。この手法の有効性を検証するため実施した夏季の実験では、3ケース延べ8回不具合を発生させ、うち7回は最も可能性が高い不具合として検知された。残りの1回も2番目に可能性が高い不具合として検知することができ、手法の有効性を確認できた。
最適化ツールの導入効果については、夏季と冬季に最適化運転と通常運転を数目ずつ交互に繰り返す実験をそれぞれ3週間程度行い、夏季・冬季ともに通常運転時に比べ最適化運転時の運転評価値が向上する結果を得た。夏季は空調時日平均外気温度が32.5℃の時に評価値が14%程度向上し、冬季は空調時日平均外気温度が11℃の時に評価値が19%程度向上する結果であった。さらに、より一般的な建物に最適化ツールを導入した際の効果を明らかにするため、実在の中規模事務所ビルの空調システムをモデル化し、シミュレーションによって検討した結果、2月に11.2%、8月に12.1%、10月に5.1%運転評価値が向上する結果を得た。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 空調システムにおける不具合検知・診断ツールの改良と検証2008

    • 著者名/発表者名
      金栽弘, 他
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部研究発表会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2008-03-02
  • [学会発表] 空調システム運用の最適化ツールの開発(第3報)空調システムシミュレーションモデルのパラメータ同定と精度検証2007

    • 著者名/発表者名
      住吉大輔, 他
    • 学会等名
      空気調和・衛生工学会大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2007-09-14
  • [学会発表] 空調システム運用の最適化ツールの開発 (第4報)最適化ツール導入効果の検討2007

    • 著者名/発表者名
      和田 晃史, 他
    • 学会等名
      空気調和・衛生工学会大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2007-09-14
  • [学会発表] 空調システム運用の最適化ツールの開発その3シミュレーション精度の検証とツールの効果2007

    • 著者名/発表者名
      住吉 大輔, 他
    • 学会等名
      空気調和・衛生工学会九州支部学術研究発表会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2007-05-30
  • [学会発表] 空調システムにおける不具合検知・診断ツールの実験による検証2007

    • 著者名/発表者名
      金 栽弘, 他
    • 学会等名
      空気調和・衛生工学会九州支部学術研究発表会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2007-05-30
  • [図書] 臨床建築学-環境負荷低減のための建物診断・維持管理技術2008

    • 著者名/発表者名
      松下 博通、住吉 大輔, 他
    • 総ページ数
      141(30-46)
    • 出版者
      技報堂出版株式会社

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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