研究概要 |
研究目的は,自動車エンジン用電磁駆動バルブ用のための新型リニアモータの性能を検証すること,エンジン環境下の外乱を再現する実験装置を製作すること,制御系のエンジン環境下に想定される耐外乱性能を検証することである. ○前年度にひきつづき,試作したバルブ駆動用の新型リニアモータの基本性能の検証を行った.具体的には動特性の測定を行った.さらにその新型リニアモータを用いた位置決め制御実験を行った.その結果,改善すべき点が有ることが分かった.そこで,構造を見直した新たなリニアモータを提案した.その新型リニアモータでは,永久磁石の搭載方法の変更を行った.新型リニアモータでは,リニアモータ設計の評価値として用いている推力定数/可動子質量を改善することができた.さらに,可動子位置に対して発生推力がほぼ変化しない推力特性とすることができ,制御性を改善することができた. ○前年度のエンジンの振動の測定結果をもとに,コイル可動型リニアモータを駆動源として用いる振動再現装置を作成した.その振動再現装置を用いることでエンジンの振動(最大加速度)を概ね再現できることを確認した. ○上記の振動再現装置にリニアモータを搭載し制御系の位置決め制御実験を行い,制御系の耐外乱性能を検証した.提案制御系を用いることで,外乱下においてもバルブを駆動できることを確認した.研究期間を通して,自動車エンジン用電磁駆動バルブを実用化する上での有用な知見を多く得ることができた.
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