マスタスレーブマニピュレータを用いたバイラテラル制御技術により遠隔地における触覚の再現を行う研究も数例報告されている。しかしそのほとんどが同構造のマニピュレータ2台を用いた物である。しかしながら実際の現場で用いられるマニピュレータは作業効率向上のため人間が操作を行う側(マスタ)と、作業を行う側(スレーブ)の構造が異なる場合が多く、また行う作業によって作業側のツールは変更があるため、スレーブマニピュレータの構造は様々な形を取る。つまり従来までのバイラテラル制御技術では対応できないのである。 本研究では異構造のマスタスレーブマニピュレータに対して触覚の再現を可能とする制御系を開発する。提案するバイラテラル制御手法は個々のロボットシステムに構築した制御系に影響を与えずに、異構造のロボットシステムにおいてバイラテラル制御実現する。 今年度は製作した1自由度鉗子ロボットと、従来より研究代表者の保有する3自由土間乳プレー他との間での異構造バイラテラルアルゴリズムの開発を行った。 提案するアルゴリズムは、それぞれのマニピュレータの位置情報と力情報を加速度次元上でやりとりをし、構造の違いをヤコビ行列、逆ヤコビ行列を用いて吸収する物である。提案する手法はシミュレーションにより理論検証を行い、その有効性を確認している。本技術が実現できることにより、様々な形状のロボットシステムに対して、バイラテラルシステムを実現でき、その操作性能を向上することが可能となる。
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