研究概要 |
目的である1分子観察のためのタンパク質1分子への蛍光標識を行った。大腸菌にて発現可能な分子量である2種類のタンパク質に関して検討を行った。1つは,Replication ProteinAの70kDaのサブユニットのDNA結合部位(YFP-RPA,CFP-RPA)について蛍光タンパク質融合RPAのタンパク質発現,精製,活性測定を行った。結果は,YFP-RPA,CFP-RPA共に,可溶性に発現し,DNA結合活性があることを確認した。もう1つは,DNAポリメラーゼβ(YFP-β,CFP-β)の大腸菌発現系での蛍光タンパク質融合タンパク質の発現を試みた。この結果は,YFP-βとCFP-βは,不溶化してしまい,あらゆる方法を使用しても活性のある蛍光DNAポリメラーゼβを得ることが出来なかった。そのため,DNAポリメラーゼβに関しては,活性部位を保護した状態による蛍光化合物を用いた化学修飾法を用いる方法を利用した。その結果,活性のある蛍光DNAポリメラーゼβの作成に成功した。 酵素の観察のための足場となるλDNAの片端固定法として,固定化するガラス基板をアミノシラン修飾するとλDNAの全体が吸着してしまい,この方法ではDNAの形態制御が不可能であった。異なる方法として,ジクロロジメチルシラン処理したガラス基板を用いて,λDNAの末端をチオール化したプライマーをアニールさせることにより片端固定を行った。ジクロロジメチルシランによりガラス基板は疎水化し,DNAのガラス基板への非特異的吸着を防ぐことが可能となり,λDNAの片端固定に成功し規上記の確認は,マイクロファブリケイション処理したマイクロ流路を用いて行っており,マイクロ流路の作成にも成功し,DNA分子を流れによる形態制御に成功した。
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