表層と内層を特殊な溶液を用いて分離し、発現している遺伝子を抽出し、DNAアレイを用いて初期胞胚において遺伝子発現の表層と内層の発現レベルの異なる遺伝子を検出した。この結果、380個の遺伝子が表層に多く発現していることが示唆された。これらの遺伝子のうち、外層と内層間で差が大きかった100個の遺伝子をホールマウントin situハイブリダイゼーション法を用いて解析した。この結果、外層特異的に発現し内層には全く発現がみられない遺伝子を30個特定した。これらの遺伝子の中には全く機能が知られていない遺伝子が多く含まれており、また転写制御に関わる転写因子をコードしている遺伝子が多く含まれていた。これらの遺伝子の機能を解析することにより、Xnr2の表層での発現にかかわる遺伝子の候補を選び出す事が出来ると考えている。 また、内胚葉の表層特異的発現をしめすXnr2の発現調節領域を含むプロモーターをクローニングした。さらに他のノーダル関連遺伝子の間で発現制御に関わっていることが知られている第一イントロンをクローニングした。これをEGFPと連結してトランスジェニック用のベクターを作製した。これを用いて表層特異的EGFPトランスジェニックガエルを作製し、内在的な発現と同様の発現を示すことを確認している。このトランスジェニックガエルは上記の実験を異なる方法でサポートし外層特異的発現のためのエンハンサーを確認し、そのメカニズムを明らかにするために重要である。
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