研究課題
多細胞生物の発生過程や個体の組織のターンオーバー、また細胞分裂などの際、上皮細胞シートの中で細胞が動く。この時、細胞接着装置はダイナミックに崩壊と再構築される。細胞間隙のバリア機能を担う細胞接着構造であるタイトジャンクション(以下TJと呼ぶ)は、このような接着の再編成をしながらもバリア機能を維持しなければならず、そのためにTJの崩壊と再編成は巧妙に制御されているはずである。しかしながら、その分子メカニズムは不明である。体研究では、TJの分解制御機構の解明を目指している。これまでTJ構成分子であるクローディンに結合するタンパク質として、ユビキチンリガーゼCBPRを同定していた。今年度、ユビキチンリガーゼCBPRが細胞内で本当にクローディンのユビキチンと分解に機能するかを詳細に検討した。クローディンを発現している細胞にCBPRを過剰発現すると、クローディンのユビキチン化および分解が増強されていることを見出した。また、クローディンとの結合部位を削ったCBPR及びユビキチンリガーゼのドミナントネガティブ型CBPRではユビキチン化の増強が見られなくなっていた。また、クローディンの分解経路に関しては、プロテアソーム系ではなく、エンドサイトーシスされた後リソソームで分解されることを示唆するデータが得られている。今後、CBPRをノックダウンした際にクローディンに対する影響を検討した後、これらの結果をまとめ論文投稿準備する予定である。
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Mol. Biol. Cell. (in press)
Mol. Biol. Cell. 3
ページ: 899,911