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2008 年度 実績報告書

スフィンゴ脂質シグナリングのトポロジーと作用メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 19870017
研究機関九州大学

研究代表者

谷 元洋  九州大学, 理学研究院, 特任准教授 (20452740)

キーワードスフィンゴ脂質 / スフィンゴミエリン / スフィンゴミエリン合成酵素 / トポロジー / セラミド / 出芽酵母 / 翻訳後修飾
研究概要

生体膜脂質二重層の外層に主に存在するスフィンゴ脂質は、細胞内外のシグナル伝達に重要な役割をはたしている事が知られている。20年度は19年度に引き続きスフィンゴ脂質シグナリングの解明に向けて、(1)スフィンゴミエリン合成酵素の翻訳後修飾による局在制御機構の解析,(2)出芽酵母のスフィンゴ脂質代謝異常高感受性変異株の探索とその表現型の解析を行った。(1)最近、遺伝子クローニングが行われたスフィンゴミエリン合成酵素には、ゴルジ体に局在する合成酵素1と大部分が形質膜に局在する合成酵素2の2種類が存在することが既に知られている。本研究では翻訳後修飾に注目し、合成酵素2のみが特異的にC末端部においてパルミトイル化と呼ばれる脂質修飾を受けていることを発見した(Tani and Kuge. BBRC(2009)381;328-332)。パルミトイル化が欠損した合成酵素2は、形質膜に局在することができずゴルジ体に局在することから、パルミトイル化はスフィンゴミエリン合成酵素の形質膜局在に関与することが示唆された。(2)出芽酵母遺伝子ノックアウトライブラリー約4800株全てを対象として大規模スクリーニングを行い、スフィンゴ脂質合成酵素阻害剤による生育阻害に対して高感受性を示す遺伝子欠損株を合計18株単離した。これらの株の表現型解析を詳細に行った結果、細胞内シグナル伝達及び小胞輸送に関わるホスホイノチシドリン酸の量的変動が水酸化脂肪酸を持った複合スフィンゴ脂質の欠損と相互作用することで、酵母が致死となることを明らかにした。このことより特定の構造を持つ複数のリン脂質の代謝異常が相互作用することで、生命の維持に重大な影響を及ぼすことが明らかとなった。また、液胞のH^+-ATPaseの欠損により、セラミドが誘導する生育阻害に対して高感受性となることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Sphingomyelin synthase 2 is palmitoylated at the COOH-H-terminal tail, which is involved in its localization in plasma membranes.2009

    • 著者名/発表者名
      M. Tani, O. Kuge
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 381

      ページ: 328-332

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mechanistic insights into the hydrolysis and synthesis of ceramide by neutral ceramidase.2008

    • 著者名/発表者名
      T. Inoue, N. Okino, Y. Kakuta, A. Hijikata, H. Okano, H. M. Goda, M. Tani, N. Sueyoshi, K. Kambayashi, H. Matsumura, Y. Kai, M. Ito
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 284

      ページ: 9566-9577.

    • 査読あり
  • [学会発表] Sphingomyelin synthase 2 is palmitoylated at the COOH-terminal tail, which is involved in its localization in plasma membranes2009

    • 著者名/発表者名
      Tani M, and Kuge O
    • 学会等名
      5^<th> International Charleston Ceramide Conference
    • 発表場所
      Charleston, USA
    • 年月日
      20090311-14
  • [学会発表] セラミド代謝異常に高感受性を示す酵母変異株の単離と表現型解析2008

    • 著者名/発表者名
      谷元洋、久下理
    • 学会等名
      第81回日本生化学会大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-12-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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