研究概要 |
(イ) 4種類のヒト由来コンドロイチン硫酸(CS)硫酸基転移酵素遺伝子をウイルス用ベクターに組み込み、バキュロウイルス感染による昆虫細胞培養での組換え酵素発現系を開発した。同発現システムで組換えC4ST,C6ST,C4S-6ST,CS-2ST4種酵素の発現を300ml培養スケールで行い、培養上清からアフィニティークロマトグラフィーにより精製酵素液を得た。 (ロ) 大腸菌K4株由来コンドロイチンポリメラーゼ(K4CP)組換え酵素を使って、反応条件を精密に調節することにより、平均分子量5,000,10,000,30,000,150,000,350,000のコンドロイチンポリマーの合成に成功した。合成高分子コンドロイチンの分子量は多角度レーザー光散乱計を用いて確定した。また、K4CP変異酵素の固定化酵素リアクターを用いて、6糖から16糖まで1糖ずつ伸長させた高純度オリゴ糖の調製も行い、1次元及び2次元質量分析機(MALDI-TOF MS, MS/MS)によりそれらの構造を確定した。 (ハ) K4CPによって調製したCHオリゴ糖及びCH多糖体に対して各種組換えCS硫酸基転移酵素を作用させて、硫酸基位置および量の異なるCS誘導体を合成した。それらの硫酸化二糖単位の解析及び一部配列の解析を行った。 (ニ) 合成した硫酸化糖鎖の生理活性分子との親和性解析のために、合成糖鎖のチップあるいはゲルへの固相化を検討し、表面プラズモン測定装置(Biacore)やアフィニティークロマトグラフィーの条件設定を行った。
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