• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

葉緑体分裂制御因子の同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 19870033
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

中西 弘充  独立行政法人理化学研究所, 宮城島独立主幹研究ユニット, ユニット研究員 (90443001)

キーワード葉緑体 / 細胞内共生 / MCD1 / MinD / FtsZ
研究概要

葉緑体はシアノバクテリアの細胞内共生を起源とし、その分裂にはシアノバクテリアの細胞分裂装置に由来するFtsZリングの形成が必要である。葉緑体のFtsZリングは、バクテリアと同様にMinDおよびMinEタンパク質によって位置決定される。さらに葉緑体の分裂には、シアノバクテリアに由来する原核型の分裂装置だけでなく、宿主細胞に由来する真核型の分裂装置が必要であることがこれまでに示されてきた。
昨年度に単離した葉緑体分裂変異株から、葉緑体分裂面の決定に必要なタンパク質MULTIPLE CHLO ROPLAST DIVISION SITE 1(MCD1)を同定した。MCD1は葉緑体内包膜に貫通するタンパク質で、葉緑体の分裂面にリング状および表面に分散した点状に局在する。間接蛍光抗体法によりMinDの局在を観察したところ、MCD1と同様に分裂面および表面に局在することが明らかになった。MCD1を欠損するとMinDが分裂面に局在できなくなることから、MinDの局在にはMCD1が必要であることが分かった。MinDタンパク質量によってMCD1のタンパク質量が増減し、mRNA量には変動がないことから、MinDとMCD1は複合体を形成することで安定化することが考えられた。Yeast two-hybrid assayの結果、MCD1とMinDが結合することが分かり、植物特異的なMCD1が原核型のMinDと直接相互作用することで葉緑体分裂面の位置決定を行うことが考えられた。これらの結果は、葉緑体分裂面の位置決定メカニズムにおいて、シアノバクテリアに由来するMinシステムを調節するための新しいタンパク質を、宿主植物細胞が付け加えたことを示唆する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The Plant-Specific Protein MCD1 Determines the Site of Chloroplast Division in Concert with Bacteria-Derived MinD2009

    • 著者名/発表者名
      Nakanishi, et al
    • 雑誌名

      Current Biology 19

      ページ: 151-156

    • 査読あり
  • [学会発表] 植物特異的なMCD1はシアノバクテリア由来のMinDと相互作用して葉緑体分裂面を決定する2009

    • 著者名/発表者名
      中西弘充, 他
    • 学会等名
      第50回 日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-03-21
  • [学会発表] The Plant-Specific Protein MCD1 Determines the Site of Chloroplast Division in Concert with Bacteria-Derived MinD2008

    • 著者名/発表者名
      中西弘充, 他
    • 学会等名
      第20回 日本植物形態学会
    • 発表場所
      高知
    • 年月日
      2008-09-24

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi