研究概要 |
本年度は(1)メガイアワビ消化管内の常在菌の特定(2)これら常在菌特異検出プローブの作製(3)メガイアワビ消化管内の各常在菌の定量を行った。 摘出した消化管を粉砕し組織液を作成した。組織液を、0.5%アルギン酸含有ZoBell2216E平板培地で20℃、5日間培養後、ランダムに30コロニー釣菌し、オキシダーゼ試験陽性、OF試験F(発酵型)の菌株を16SrRNA遺伝子系統解析に供し、消化管内の常在菌を特定した。さらにコロニーハイブリダイゼーション法(Tanaka et al., 2002)を用いて常在菌の核酸プローブを作製し、その特異性を検討した。 これらの常在菌と考えられる菌の標識を作成し、反応時間12時間、反応温度60℃でハイブリダイゼーションを行うことによりそれぞれの常在菌を検出することが可能であった。本条件を用いて2008年12月に採取したメガイアワビサンプルに供したところ、V. halioticoli近縁種が平均で1.4×10^7 CFU/g (gut waight)検出された。さらにV.gallicus近縁種およびV. coralliilyticus近縁種がそれぞれ約1.5×10^7 CFU/g、8.0×10^5CFU/g検出された。Agarivorans albus類似菌は検出限界以下であった。ちなみに総生菌数は約4.5×10^7CFU/gであった。
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