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2008 年度 実績報告書

抗ストレス食素材の探索と分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19880022
研究機関徳島大学

研究代表者

川畑 球一  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 研究員

キーワードフラボノイド / 体内動態 / 脳機能調節作用 / 機能性食品
研究概要

前年度の研究でケルセチンはストレス応答調節作用を有していることが明らかとなり、脳機能に影響を与えることが強く示唆された。そこで本年度はモデル神経細胞Neuro2Aを用い、ケルセチンの脳機能調節作用の網羅的解析を目的とした。そのためにまずケルセチンの体内動態に関する知見を得るため、Neuro2A細胞とラットを用いて吸収・代謝の検討を行った。Neuro2A細胞にケルセチンアグリコンおよび代謝物[ケルセチン-3-グルクロニド(Q3GA),イソラムネチン(IRH)]を処理し、1-24hで時間依存的な吸収を測定したところ、アグリコンとIRHの細胞内取込量は1hで最大となり、2h以降は時間依存的に減少したが、Q3GAは24hまで時間依存的に取り込まれた。またケルセチン処理1hでIRH(メチル化物)に相当するピークが認められた。さらに興味深い事にIRHの取込量はケルセチンに比べて6-10倍高いことが明らかとなったことから、Neuro2A細胞にはIRH(メチル化物)が蓄積しやすいことが示唆された。次に、アグリコンをラットに経口投与した際の脳内蓄積量について、ストレス負荷の有無での変動も合わせて検討した。ケルセチン代謝物は無処理のラット脳内でも検出されたことから、通常飼料中からの混入が示唆されたが、投与によって代謝物の変動を確認することはできた。投与後30-210minで血漿中代謝物は増加した一方、脳内代謝物は減少したことから、脳内蓄積量は一定に保たれている可能性が考えられた。また水浸拘束処理により脳内代謝物(メチル化物)が増加傾向にあったことは注目すべき点であり、(ストレス刺激に限らず)負荷を与えた場合の代謝物量の変動は新知見である。以上の結果から、ケルセチン代謝物は(特にメチル化物)は脳内に蓄積し、神経細胞に何らかの影響を与えることが期待された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 水浸拘束ラットにおけるケルセチンのストレス応答調節作用とそのメカニズムの解析2008

    • 著者名/発表者名
      川畑球一
    • 学会等名
      日本農芸化学会関西支部第457回講演会
    • 発表場所
      兵庫
    • 年月日
      2008-12-06
  • [備考] 徳島大学21世紀COEプログラム「ストレス制御をめざす栄養化学」ホームページ内

    • URL

      http://square.umin.ac.jp/meeting/terao.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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