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2008 年度 実績報告書

カイコの繭色を支配する遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 19880039
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

作道 隆  国立感染症研究所, 放射能管理室, 研究員 (70455393)

キーワード脂質輸送 / スカベンジャー受容体SR-BI / カロテノイド / カイコ / 繭色 / ninaD / CD36 / ポジショナルクローニング
研究概要

野生型のカイコは、餌の桑葉からカロテノイド色素を吸収し、絹糸に輸送することによって黄色の繭を作る。昨年度、このカロテノイドの体内輸送を支配する遺伝子のひとつ黄繭遺伝子(C)をポジショナルクローニングの手法で同定することを試み、候補遺伝子Cameo2を得た。Cameo2は、哺乳類における高密度リポタンパク質(HDL)からのコレステロールの取り込みや、C型肝炎ウイルスなどの病原体の認識に関与することが報告されているスカベンジャー受容体クラスBタイプI(SR-BI)という膜貫通型受容体遺伝子と相同性を有していた。本年度は、このCameo2について解析を進めた。絹糸合成器官におけるCameo2 mRNAの発現を調べたところ、C対立遺伝子を持ち繭が黄色に着色する野生型系統では発現しているものの、C対立遺伝子を持たず白繭を作る系統では著しく発現が抑制されていた。発現抑制の分子機構を黄繭系統と白繭系統を掛け合わせて作出したF1個体のSNP解析によって調べたところ、Cameo2のシス制御配列によって発現が抑制されていることが示唆された。すなわち、白繭系統においては、Cameo2のシス制御配列上に変異が起きていると考えられる。また、野生型のカイコでは、Cameo2が体液リポタンパク質からカロテノイドを絹糸合成器官に取り込むことで黄繭が作られると予想される。今後、この黄繭系統と白繭系統の絹糸腺を組織化学的に比較することで、生体内カロテノイド輸送機構を詳細に解明していくことが可能と思われる。また、Cameo2は繭色を変化させる遺伝的ツールとして用いることができるであろう。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 黄繭遺伝子(C)の分子遺伝学的解析2009

    • 著者名/発表者名
      作道隆、飯塚哲也、生川潤子、瀬筒秀樹、桑崎誠剛、伴野豊、高田直子、藤本浩文、門野敬子、三田和英、田村俊樹、山本公子、土田耕三
    • 学会等名
      日本蚕糸学会第79回学術講演会
    • 発表場所
      東京東京農工大学
    • 年月日
      2009-03-22
  • [学会発表] Positinal cloning of the Yellow cocoon(C)gene respon sible for membrane transport of carotenoids in the silkworm2009

    • 著者名/発表者名
      Takashi Sakudoh, Tetsuya Iizuka, Junko Narukawa, Hideki Sezutsu, Seigo Kuwazaki, Yutaka Banno, Naoko Takada, Hirofumi Fujimoto, Keiko Kadono-Okuda, Kazuei Mita, Toshiki Tamura, Kimiko Yamamoto, Kozo Tsuchida
    • 学会等名
      第3回昆虫ゲノム研究会
    • 発表場所
      神戸理化学研究所
    • 年月日
      2009-03-11
  • [学会発表] 生体色素カロテノイドの膜輸送に関与するカイコ黄繭遺伝子の分子遺伝学的解析2008

    • 著者名/発表者名
      作道隆、飯塚哲也、生川潤子、瀬筒秀樹、桑崎誠剛、伴野豊、高田直子、藤本浩文、門野敬子、三田和英、田村俊樹、山本公子、土田耕三
    • 学会等名
      BMB2008
    • 発表場所
      神戸ポートピアホテル
    • 年月日
      2008-12-12

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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