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2007 年度 実績報告書

ミトコンドリア標的型の多重型・多機能性ナノ構造体の開発と癌治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19890001
研究機関北海道大学

研究代表者

山田 勇磨  北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (60451431)

キーワード薬学 / ミトコンドリア / 癌 / 共焦点顕微鏡 / ナノマシン / タンパク質送達 / イメージング / 細胞内動態制御
研究概要

本申請研究は、薬物を癌組織ミトコンドリア(Mt)へ送達するための新規送達システムとして、Mt標的型の多重型・多機能性ナノ構造体(多重型MEND)の開発を目的とする。本申請研究では、多重型MENDに活性酸素除去蛋白質SODを封入し、活性酸素の産生源Mtへ送達し、癌細胞を死滅させる今までにはないアプローチからの癌治療を目指す。本年度は、SODのMENDへのパッケージングを行い、SOD封入MENDを構築した。さらに、in vitroでのSOD封入MENDの活性酸素除去能の評価を行った。
<SODタンパク質のMENDへのパッケージング>
SODをSTR-R8でナノ粒子化することを試みたが、SODはナノ粒子化されず脂質膜でパッケージングすることが困難であった。そのため、SODを効率的にMENDへ封入する戦略として、リポプレックスを利用した封入法を考案した。負電荷を有するSODと正電荷を有するリポソームを混合し、高密度にSODを濃縮したナノ粒子を調製した。その後に、ミトコンドリア融合能の高い脂質膜でコーティングした。
<MENDの活性酸素除去能の評価>
SOD封入MENDの細胞内活性酸素除去能の評価を行った。癌細胞であるHeLa細胞にミトコンドリア選択的に活性酸素を産生させるロテンノンを添加し過剰に活性酸素が産生される細胞を構築した。その後、SOD封入MENDを添加し細胞内の活性酸素の量を測定した。その結果、SOD封入MENDは細胞内の活性酸素の40%を除去する事が確認された。
平成20年度は、細胞膜とMt膜を突破するために、MENDをエンドソーム融合能の高い脂質膜でコーティングした多重型MENDを構築し、ミトコンドリア移行効率を上昇させる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] MITO-Porter: a liposome-based carrier system for delivery of macromolecules into mitochondria via membrane fusion.2008

    • 著者名/発表者名
      山田勇磨
    • 雑誌名

      Biochimica et Biophysica Acta 1778

      ページ: 423-432

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multifunctional Envelope-type Nano Device(MEND)as a non-viral gene delivery system.2008

    • 著者名/発表者名
      小暮健太朗
    • 雑誌名

      Adv. Drug Deliv. Rev. 60

      ページ: 559-571

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 多機能性エンベロープ型人工遺伝子デリバリーシステムの創製2007

    • 著者名/発表者名
      原島秀吉
    • 雑誌名

      YAKUGAKU ZASSHI 127

      ページ: 1655-1672

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 多機能性エンベロープ型ナノ構造体による人工遺伝子デリバリーシステムの創製2007

    • 著者名/発表者名
      原島秀吉
    • 雑誌名

      Drug Delivery System 22

      ページ: 569-577

    • 査読あり
  • [学会発表] MITO-Porter, a novel liposome-based mitochondrial delivery system via membrane fusion.2007

    • 著者名/発表者名
      山田勇磨
    • 学会等名
      3rd Pharmaceutical Sciences World Congress
    • 発表場所
      Amsterdam, The Netherlands(RAI Congress centre)
    • 年月日
      20070422-25
  • [学会発表] 細胞内FRET法を用いたMITO-Porter(ミトコンドリア膜合融性リポソーム)の膜融合能評価2007

    • 著者名/発表者名
      山田勇磨
    • 学会等名
      第23回日本DDS学会
    • 発表場所
      熊本(熊本日航ホテル)
    • 年月日
      2007-06-14
  • [図書] 遺伝子医学MOOK別冊 絵で見てわかるナノDDS2007

    • 著者名/発表者名
      田畑泰彦
    • 総ページ数
      131-139
    • 出版者
      株式会社 メディカルドゥ

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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