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2008 年度 実績報告書

テロメラーゼ阻害活性を有するディクティオデンドリン類の合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 19890014
研究機関東北大学

研究代表者

岡野 健太郎  東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (30451529)

キーワードディクティオデンドリン / テロメラーゼ阻害活性 / 芳香族アミノ化反応 / ベンザイン
研究概要

前年度に四環性コア骨格を備えた重要中間体の合成に成功したので、パラヒドロキシフェニル基の導入を経て、まずは全合成の達成を目的として研究を行った。しかし、さまざまな検討の後、五置換ベンゼン環に対するハロゲン化やリチオ化を経たヨウ素等による捕捉、さらに、様々な四環性化合物を用いてもρ-メトキシフェニル基の導入はできなかった。また、通常の遷移金属触媒を用いる直接的なρ-メトキシフェニル基の導入についてもきわめて困難であることが分かった。
そこで、立体的な制約がきびしい5置換ベンゼン環への置換基導入を断念し、インドリン環の構築と同時にp-メトキシフェニル基の導入の足がかりとなるヨウ素を導入できないかと考えた。すなわち、同様のジブロモベンゼン誘導体に対して、過剰量のLiTMPを-78℃で加えた後に昇温することでベンザインを発生させ、生成した7-リチオインドリンの塩化亜鉛によるトランスメタル化とヨウ素での捕捉により、きわめて立体的に込み入った位置にヨウ素化を行い目的とするヨードインドリンを得ることに成功した。この結果は、従来法では合成困難であった六置換ベンゼン環の一般的合成法になりうるものであり、現在、一般性に関して検討を行っている。
得られたヨードインドリンに対して、順次官能基導入を行うことでディクティオデンドリンBの全合成を達成した。また、これまで合成例がなかったディクティオデンドリンAの世界初の全合成も達成し、今後この結果を論文投稿する予定である。また、本合成経路は合成終盤にさまざまな置換基を収束的に導入できることから、ディクティオデンドリン類の多様な誘導体合成に応用可能であると考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Mild Inter- and Intramolecular Amination of Aryl Halides with a Combination of CuI and CsOAc2008

    • 著者名/発表者名
      久保哲次、加藤千晴、山田健、岡野健太郎、徳山英利、福山透
    • 雑誌名

      Tetrahedron 64

      ページ: 11230-11236

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mild Debenzylation of Aryl Benzyl Ether with BC13 in the Presence of Pentamethylbenzene as a Non-Lewis-Basic Cation Scavenger2008

    • 著者名/発表者名
      置野健巡、奥山圭一郎、福山透、徳山英利
    • 雑誌名

      Synlett

      ページ: 1977-1980

    • 査読あり
  • [学会発表] Dictyodendrin Bの全合成2009

    • 著者名/発表者名
      岡野健太郎、藤原栄人、福山透、徳山英利
    • 学会等名
      日本薬学会第129年会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] Dictyodendrin類の合成研究2008

    • 著者名/発表者名
      岡野健太郎
    • 学会等名
      第23回有機合成化学若手研究者の仙台セミナー
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2008-12-06
  • [学会発表] Dictyodendrin類の合成研究2008

    • 著者名/発表者名
      岡野健太郎、藤原栄人、福山透、徳山英利
    • 学会等名
      第34回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      2008-11-04
  • [備考]

    • URL

      http://db.tohoku.ac.jp/whoiskletail/e69508bc42d0d76b294e921442206la2.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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