MSX2拘束性ベクターによる膵癌遺伝子治療の検討

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19890015
• 研究種目: 若手研究(スタートアップ)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 消化器内科学
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 濱田 晋 東北大学, 病院, 医員 (20451560)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: MSX2 / S100P / EMT / 膵癌 / BMP4

研究概要

本研究により、EMTに際してMSX2と共に誘導されるカルシウム結合蛋白S100Pが同定され、その誘導はMSX2と同様Smad4依存性であった。MSX2、S100Pの誘導にはいずれも新規の蛋白合成が必要であり、Smad4の下流の標的遺伝子がこの過程に重要であると推測された。ホメオボックス遺伝子であるMSX2が膵癌において癌幹細胞の性質のひとつである抗癌剤耐性を誘導し、その過程にはトランスポーター遺伝子であるABCG2の誘導が関わっていることが明らかにされた。プロモーター解析によりMSX2はABCG2の発現を直接制御していることが判明した。これらの分子機構は膵癌の新規治療標的となりうるものであると考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] Expression of the calcium-binding protein S100P is regulated by bone morphogenetic protein in pancreatic duct epithelial cell lines. (2009)
  • 著者名/発表者名: Hamada S, Satoh K, Hirota M, Fujibuchi W, Kanno A, Umino J, Ito H, Satoh A, Kikuta K, Kume K, Masamune A, Shimosegawa T.
  • 雑誌名: Cancer Sci., Jan 100(1) ページ: 103-110
  • 査読あり
• [学会発表] 膵癌における新規BMP標的遺伝子の同定とEMT誘導過程への寄与について (2008)
  • 著者名/発表者名: 濱田晋, 佐藤賢一, 廣田衛久, 下瀬川徹
  • 学会等名: 第16回浜名湖シンポジウム
  • 発表場所: 浜松
  • 年月日: 2008-12-20
• [学会発表] 膵癌細胞株におけるBMP4によるカルシウム結合蛋白S100Pの発現誘導とその機能についての検討 (2008)
  • 著者名/発表者名: 濱田晋, 佐藤賢一, 廣田衛久, 菅野敦, 海野純, 伊藤広通, 下瀬川徹
  • 学会等名: JDDW 2008
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-10-03
• [学会発表] ヒト膵癌細胞株におけるBone morphogenetic protein 4によるEMT誘導経路の検討 (2008)
  • 著者名/発表者名: 濱田晋, 佐藤賢一, 廣田衛久, 菅野敦, 海野純, 伊藤広通, 下瀬川徹
  • 学会等名: 第94回日本消化器病学会総会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2008-05-08
• [学会発表] Comprehensive analysis of BMP target gene in pancreatic cancer cell line and its functional role during cancer cell migration (2008)
  • 著者名/発表者名: Hamada S, et.al.
  • 学会等名: 2008 AACR Annual Meeting
  • 発表場所: San Diego, U.S.A
  • 年月日: 2008-04-15