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2008 年度 実績報告書

歯周病巣インターフェイスにおける宿主-細菌相互作用に対する分子生物学的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 19890031
研究機関東北大学

研究代表者

真柳 弦  東北大学, 病院, 医員 (10451600)

キーワード歯学 / 免疫学 / 細菌学 / 遺伝学
研究概要

本研究では、臨床試料より得られた患者個々の歯周病に特に関連するとされる、免疫学的、細菌学的ならびに遺伝学的パラメーターと、採取部位の臨床病態との関連性を比較・検討し、歯周病の発症・進展機構の解明および歯周病の診断法の開発を目指す。
本年度は、東北大学病院附属歯科医療センター歯内歯周療法科を受診し、歯周治療を開始する患者からインフォームドコンセントを得た後、採取した歯肉mRNAを用いて、歯周病巣歯肉中のサイトカインプロファイルの定量的解析(RT-real time PCR)を行った。TNF-α、IL-1α、IL-1β、IFN-γ、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL-12p40の10種類をターゲットとして解析した結果、歯周炎患者では歯槽骨吸収と関連して注目されているTNF-α、IL-1α、IL-1β、IL-6の検出率は高く、破骨細胞の形成を抑制するとされるIFN-γ、IL-4、IL-12p40の検出率は低かった。さらに、臨床病態の指標である歯周ポケット深さと各種サイトカイン量との関連性について調べたところ、ポケットが深くなると、IL-6の検出量が増加する傾向にあることが明らかになった。過剰に産生されるIL-6は骨吸収に関与していることも知られており、臨床指標と歯肉mRNAから検出されるIL-6の関連性が示唆されたことは、今後、歯周病有病者のスクリーニング、歯周治療前後の状態を比較することによる治療効果の判定、メインテナンス中のモニタリング手段などに活用することが可能となり、その結果を日常臨床にフィードバックすることができる。すなわち、中年以降の歯周病有病率が高い我が国において、歯周病の早期診断・治療の一助となることで国民の健康の確立にも大きく寄与できるものと期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Probiotic effects of orally administered Lactobacillus salivarius WB21-containing tablets on periodontopathic bacteria : A double-blinded, placebo-controlled, randomized clinical trial2009

    • 著者名/発表者名
      Mayanagi G, Kimura M, Nakaya S, et.al.
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Periodontology 36(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Improvement of periodontal condition by probiotics with Lactobacillus salivarius WB21 : a randomized, double-blind, placebo-controlled study2008

    • 著者名/発表者名
      Shimauchi H, Mayanagi G, Nakaya S, et.al.
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Periodontology 35

      ページ: 897-905

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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