低酸素応答における低酸素コンプレックスの決定 低酸素応答におけるシグナル伝達機構の解析を、プロリン水酸化酵素PHD3が形成する低酸素コンプレックスに着目して進めた。培養細胞にPHD3を外来的に発現させ、免疫沈降法によりPHD3コンプレックスを精製した。精製したコンプレックスを二次元電気泳動で展開し、質量分析法により構成タンパク質の決定を行った。一連の解析11回の試行で108のタンパク質スポットを決定した。これらのスポットの情報をデータベースと照合し、繰り返し得られるもの、異なるアプローチで同様に得られるものを指標として、三つの分子を主たる解析対象として絞り込んだ。これら三分子に関して遺伝子クローニングを行い、その発現とPHD3との結合を培養細胞の系で検証した。本研究で得られた成果の一部は、BMB2007学会(2007年12月 横浜)において発表した。 酸素センシング機構に働くタンパク質 生物の酸素センシング機構にはPHD3低酸素コンプレックスの形成が関与していることを仮説として、ゲル濾過法を用いて、低酸素コンプレックスを分子量ごとに分画した。質量分析により得られた候補タンパク質の発現をゲル濾過分画内で確認し、低酸素コンプレックス形成への関与を示した。
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