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2008 年度 実績報告書

SARSレセプターACE2によるARDS/急性肺傷害の治療研究

研究課題

研究課題/領域番号 19890062
研究機関秋田大学

研究代表者

久場 敬司  秋田大学, 医学部, 准教授 (10451915)

キーワードアンジオテンシン / ACE2 / SARS / 急性肺傷害 / 自然免疫 / 高病原性インフルエンザ / H5N1
研究概要

レニンーアンジオテンシン系は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)によって産生されるアンジオテンシンII(Ang II)を介して昇圧作用など循環器系において重要な役割を担うことが知られているが、最初の新規ACEファミリー分子であるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)はAng IIをターゲットとしてレニンーアンジオテンシン系を負に調節し、心血管機能の制御、心不全などに関与するのみならず、SARS(重症呼吸不全症候群)ウイルスの受容体であるとともに、急性呼吸不全において肺保護作用を発揮する(Nature 2005, Nat Med 2005)。しかしながら、その細胞メカニズム、SARSや急性肺傷害によるACE2抑制のメカニズムは不明であった。昨年度、ACE2の発現抑制には細胞内への内在化のみならず酸化ストレスを介したsheddingが重要であることを明らかにしたが、平成20年度、私達は酸化ストレスを介した自然免疫シグナルの過剰な活性化が、SARSなのみならず高病原性H5N1インフルエンザによるARDS/急性肺傷害の病態発症に重要であることを見出した。とりわけ酸化ストレスにより酸化リン脂質が産生され、これがToll-like receptor 4を活性化することを明らかにした。さらにSARSやH5N1インフルエンザのみならず幅広いARDS/急性肺傷害を引き起こした患者さんの肺病理組織においても酸化リン脂質の産生が認められた(Cell, 2008)。これらの成果は、SARS、急性肺傷害の治療のみならず幅広い疾患の病態解明、新しい治療法の開発に貢献することが期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Tissue-specific amino acid transporter partners ACE2 and collectrin differentially interact with hartnup mutations2009

    • 著者名/発表者名
      Camargo S, Kuba K, et.al.
    • 雑誌名

      Gastroenterology 136(3)

      ページ: 872-882

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The role of ACE2 in pulmonary diseases--relevance for the nephrologist2009

    • 著者名/発表者名
      Oudit GY, Kuba K, et.al.
    • 雑誌名

      Nephrol Dial Transplant 24(5)

      ページ: 1362-1365

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of oxidative stress and toll like receptor 4 signaling as a key pathway of acute lung injury2008

    • 著者名/発表者名
      Imai Y, Kuba K, et.al.
    • 雑誌名

      Cell 18 ; 133(2)

      ページ: 235-249

    • 査読あり
  • [学会発表] アンジオテンシン変換酵素(ACE2)と心血管機能制御2008

    • 著者名/発表者名
      久場敬司
    • 学会等名
      第12回Molecular Cardiocvascular conference
    • 発表場所
      北海道、キロロ
    • 年月日
      2008-09-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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