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2007 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌における白金製剤感受性と浸潤能との関連

研究課題

研究課題/領域番号 19890085
研究機関金沢大学

研究代表者

吉澤 邦夫  金沢大学, 医学部附属病院, 医員 (60452108)

キーワード口腔扁平上皮癌 / 白金製剤 / シスプラチン(CDDP) / トランスポーター / CTR1 / ATP7B / RT-PCR / Western blotting
研究概要

口腔扁平上皮癌における白金製剤の細胞内輸送能とその感受性との関連を調べることを目的に,がん浸潤様式(山本・小浜分類)の由来が明確な口腔扁平上皮癌8種(HSC-2,HSC-4,OSC-20,OBS-01,OSC-19,OTC-04、HOC313,TSU)をin vitro系の実験に供した。次の系統的研究を行ったので,下記する。)
研究1.抗癌剤シスプラチン(CDDP)感受性の比較
研究2.CDDP暴露し,がん細胞内に蓄積したCDDP濃度の計測
研究3.CDDPの取り込みおよび排出に関わるトランスポーターとして知られているCTR1,ATP7Bのがん細胞における発現の比較検討を行った。
研究1の結果,高度浸潤癌由来細胞株(HOC313,TSU)では,CDDP感受性を低く認めた。
次に研究2のCDDP細胞内蓄積量を計測すると,高度浸潤癌由来細胞では,細胞に蓄積したCDDP量が低かった。この実験結果は,細胞内に蓄積したCDDP量が低いほどCDDPの感受性が低いことを示唆しており,合理的に考えられる。
研究3では,CTR1,ATP7Bの発現を半定量RT-PCRおよびWestern blotting法を用いて,比較検討した。その結果,CTR1の発現は有意な差を認めなかったが,一方ATP7Bの発現に関しては,高度浸潤癌由来細胞においてその発現が強く,低度浸潤癌由来細胞株でその発現が低く認められた。
これらのことより,高度浸潤癌由来細胞株では,低度浸潤癌由来細胞株に比べてCDDPを細胞外に排出するATP7Bが強く働き,CDDP細胞内蓄積量も減少した結果,CDDP低度感受性になったと考えられた。
ATP7Bは口腔扁平上皮癌のCDDP感受性マーカーとして利用できる可能性があり,治療方針に寄与すると考える。また今後はさらに,ATP7Bの耐性メカニズムをさらに解明し,治療に応用できるように研究を進めべきである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Expression of copper transporter (ATP7B) in the transporter of cispltin in cell lines derived from invasive oral squamous cell carcinoma2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshizawa K, Nozaki S, 他5名中1番目
    • 雑誌名

      Oral Science International 4

      ページ: 28-37

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Copper efflux tramsprter (ATP7B) contributes to the acquisition of cisplatin-resistance in human oral squamous cell lines2007

    • 著者名/発表者名
      Ybshizawa K, Nozaki S, 他5名中1番目
    • 雑誌名

      Oncology Reports 18

      ページ: 987-991

    • 査読あり
  • [学会発表] 口腔扁平上薦細胞株のCisplain(CDDP)耐性におけるATP7Bの発規意義2007

    • 著者名/発表者名
      第52回口腔外科学会総会
    • 学会等名
      第52回口腔外科学会総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2007-09-29

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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