研究課題
1)卵巣癌組織のOncogene活性解析卵巣癌組織のマイクロアレイ解析によって、明細胞腺癌はSrc活性が高いことが示唆された。リン酸化活性化Srcの量ををWestern blottingで調べると、明細胞腺癌で活性が高いことがわかった。明細胞腺癌は化学療法に抵抗性であるが、今回の結果から、明細胞腺癌にはSrc inhibitorが治療薬として有効である可能性がある。2)卵巣癌のメチル化解析卵巣癌細胞株に5Aza-dCを添加してマイクロアレイを行って予測したメチル化360遺伝子のリストを用いて、卵巣癌組織のクラスタリングを行うと、組織型別に明瞭に分かれることがわかった。とりわけ、明細胞腺癌は他と異なるメチル化プロファイルであることがわかった。この知見は、明細胞腺癌の発生機序の解明や、メチル化阻害剤の臨床応用に向けて、有用である。3)卵巣癌細胞株のマイクロアレイ解析元々の組織型が明らかな卵巣癌細胞株を39種類集め、RNAを抽出して、マイクロアレイを施行した。明細胞腺癌細胞株を特徴づける遺伝子群は、臨床検体においても、明細胞腺癌組織を特徴づけることがわかり、細胞株と臨床検体が相関することが明らかになった。4)卵巣癌細胞株の化学療法感受性卵巣癌細胞株のシスプラチンへの感受性を調べると、卵巣明細胞腺癌細胞株は、それ以外に比べてシスプラチンに対して抵抗性であることがわかった。したがって、明細胞腺癌を特徴づける遺伝子群には、シスプラチン抵抗性遺伝子が含まれている可能性がある。
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