研究課題
もとの組織型の明らかな卵巣癌細胞株を38種類集めてマイクロアレイを行い、さらに、Websiteの臨床データと比較することによって、明細胞腺癌を特徴づける"Clear Cell Signature"を同定した。Clear Cell Signatureの解析により、以下のことが明らかとなった。1) Clear Cell Signatureは、再現性をもって、他のマイクロアレイデータセットにおいても、明細胞腺癌を同定した。さらに、RT-PCRによって、細胞株と臨床サンプルを調べることによっても、その再現性を確認できた。2) Clear Cell Signatureに含まれる遺伝子は、鉄やチョコレートのう胞の内容液を不死化卵巣表層上皮細胞に添加することにより有意に発現上昇し、チョコレートのう胞という環境因子を反映している。3) Clear Cell Signatureに含まれる遺伝子には、kidnery developmentというGO termが濃縮しており、さらにclustering解析によって、明細胞腺癌細胞株と、腎細胞癌細胞株はきわめて類似していた。卵巣明細胞腺癌細胞株RMG-2を用いて、腎細胞癌で使われているSorafenibのin vivoでの抗腫瘍効果を検討した結果、きわめて有効であることがわかった。このことは、明細胞腺癌において、E2F活性が低いがRas活性が高いというマイクロアレイデータと関連している可能性がある。今後は卵巣明細胞腺癌に対して、Sorafenibの臨床試験を検討すべきである。
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