1.対象として、過去6ヶ月以内に京大病院神経内科を受診し、現在も通院中の認知症患者とその家族を選定した。介入群はその中で、自宅でSkypeのビデオ通信ができる環境が整備されており、操作できる方(家族が操作できる場合も可)が存在することを条件とした。セッティングとスカイプのテストは研究者側で行った。 2.対象者の情報収集として認知機能検査(MMSE等)及び介入初回アンケート(ADL機能評価等)を行った。 3.IT支援グループチームの形成:(1)京都大学医学部人間健康科学科スタッフ(申請者である久保田、および研究支援者である老年看護学教授木下、さらにケアマネージャーの資格を有する看護師、介護認定の経験を持つ看護師など数名のグループ)と(2)京都大学医学部附属病院神経内科認知症担当専門医数名からなる看護師・医師のグループを形成した。 4.ケアプラン作成:(1)ITツール購入:ウェブカメラ、コンピュータ、専用ハードディスク、セキュリティソフト等を購入した。(2)ウェブカメラによる相談は患者又は家族と日程を調整し、週1回、30分程度の相談で、12週間継続することとした。交信の内容については、健康状態の観察や助言、日常生活での相談、服薬指導、椅子に座ってできる簡単な運動等とする。会話はSkype録画・録音ソフトで患者または家族の了承の下、録画・録音することとした。対象のうち数名は既にスカイプによる介入を開始している。(3)介入による変化を観察する為、介入群・対照群の患者に対し、認知機能検査(MMSE、HDS-R)、ADL機能評価(Barthel Index: BI)を行い、測定時の患者自身の心境について主観的に解答してもらうこととした。家族に対し、抑うつ尺度(Zung式抑うつ尺度、ベック式抑うつ尺度)、介護負担度(J-ZBI-8)、Pinesのバーンアウトスケールを用い、夜起きる回数、睡眠時間、測定時の患者の態度についての印象を主観的に解答してもらうこととした。
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