肝胆膵領域の癌細胞7腫とそれ以外の部位の癌細胞2種(肺・胃)について化学療法抵抗性とアポトーシスの関連性について探った。特に治療法の確立していない胆道癌に対しての研究を進めるため、胆道癌で認可されているGEM(ゲムシタビン)と5FU系薬剤を中心に検討を行ったところ、胆道癌ではGEM抵抗性とアポトーシスが関連していることが明らかになった。この関連性については胆道癌以外の膵癌・肝臓癌・肺癌・胃癌では認められなかった。また、メカニズムの解析のために、該当細胞株に対して、GEM作用下にWestern Blottingを行ったところ、Bc12ファミリーだけでなく、RBやStatのリン酸化が認められたことから、これらのPathwayを介した系が重要であることがわかった。まず、Statの系を掘り下げるために、その上流のIL6の阻害剤として、コマーシャルに使用できるIL6R-antagonistic antibodyを用いて、GEM感受性を検討したところ、IL6の化学療法抵抗性への関連性が示唆された。すでに、胆道癌細胞ではIL6によるAuto Paracrineシステムが示唆されていることから、IL6の刺激により、化学療法抵抗性が生じている可能性が示唆された。
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