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2007 年度 実績報告書

神経再生時に炎症性サイトカインが及ぼす影響とそのメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19890123
研究機関大阪大学

研究代表者

田中 啓之  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00432542)

キーワード再生医学 / 神経科学 / 脳・神経
研究概要

本年度は「炎症性サイトカインがin vitroにて神経細胞に及ぼす影響とそのメカニズムの解明」について研究を行った。まずラットより中枢神経細胞として小脳顆粒細胞を、末梢神経細胞として後根神経節細胞を採取し初代培養を行った。培養液中にIL-1βを単独で添加したところ、それぞれの神経細胞において軸索伸展などの影響は認められなかった。ところが軸索伸展阻害物質であるMAGをIL-1βと同時に添加したところ、MAGの存在下においても、IL-1βはその影響を打ち消すことがわかった。このことからIL-1βはMAGなどの軸索伸展阻害物質の影響をブロックし、軸索を伸展させることが解明された。MAGは低分子量G蛋白質の一つであるRhoを活性化するが、IL-1βはp38MAPKを介してRhoをブロックするということがわかった。また生体内での現象も解明するため、ラットの坐骨神経損傷モデルを作製し、IL-1βの発現を確認したところ、損傷部周囲にIL-1βの発現が上昇することもわかった。損傷後24時間をピークとして、7日後まで上昇していることが免疫染色およびウエスタンブロッティングで確認できた。このことから坐骨神経損傷後には、損傷部周囲に一過性にIL-1βの発現が上昇するがわかった。これによりMAGなどの軸索伸展阻害物質の影響をブロックすることにより神経細胞の軸索伸展作用が促進され、末梢神経損傷後の軸索再生に寄与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] IL-1b promotes neurite outgrowth by deactivating RhoA via p38 MAPK pathway2008

    • 著者名/発表者名
      Ko Temporin
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 365

      ページ: 375-380

    • 査読あり
  • [学会発表] 神経細胞の突起伸展に対するIL-1bの影響2007

    • 著者名/発表者名
      轉法輪 光
    • 学会等名
      日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      浜松市
    • 年月日
      2007-10-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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