研究課題
若手研究(スタートアップ)
卵巣明細胞腺癌は上皮性卵巣癌のなかでも極めて予後不良な組織型と認識されている。また欧米と比べ日本において高頻度に発生することが知られており、本邦において非常に注目されている疾患である。今回、科学研究費補助金を用いて、筆頭研究者を中心に、米国Fox Chase Cancer Centerとの共同研究により、卵巣明細胞腺癌においてmTORが高頻度に活性化していること、mTORがシスプラチン耐性化に関与することを証明した。またmTORをターゲットとした分子標的治療を行うと明細胞腺癌の発育が有意に抑制されること、明細胞腺癌のシスプラチン耐性が解除されること、の5点を証明し、米国癌専門雑誌に報告した(Clin Cancer Res, under revision)。また、mTORの下流に存在するVEGFが卵巣癌のシスプラチン感受性およびシスプラチン投与後の再発に重要な役割を果たすこと、VEGF阻害剤であるBevacizumabがシスプラチンの抗腫瘍効果を有意に増強すること、またシスプラチンによる寛解導入療法後にBevacizumabを用いた卵巣癌の維持療法(シスプラチンによる寛解導入後の維持療法)を行うと、生存期間が有意に延長できることを証明し、同じくClin Cancer Resに報告した。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
Gynecol Oncol 113
ページ: 200-4
(in press)
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