医療的ケアや絶え間のない全身管理が必要な小児の在宅人工呼吸療法(以後HMVと略)中の介護者の介護負担因子やその関係性を明確にして在宅人工呼吸療法の両親の介護負担モデルを構築することを目的とした。 1.HMVを行っている小児の介護者に半構成的面接調査を行った。ラザルスのストレス認知理論を元に、ストレス認知の状況や影響を明らかにした。その結果、 【困難・たいへんと認知した事象】は、小児のHMVの特殊性として母親と小児が精神的にそばから離れられない「子離れ親離れできない」ことや社会資源の不足など「医療行政・社会資源の問題」があり、それが「時間の拘束」「行動制限」を増幅していた。夫の仕事への影響やきょうだいの精神症状などの「家族への影響や気遣い」、頻回の処置や母親の高齢化の症状や子の身体的成長などによる「身体的負担」、障害児の母親像や完壁な介護への固定観念などから「精神的負担感」を生じていた。光熱費や介護の消耗晶などを「経済的負担」とし、「地域・社会との関係」などをストレスとして認知していることがわかった。 【対処】は、問題焦点型は、部屋の中でできる楽しみや、必要な時聞の確保のための工夫、精神症状を起こさないための対処方法、家族会への参加や相談、夫の介護協力への諦めや子離れのための割り切りなどがあった。感情焦点型は、感情を表出したり楽観的な考えにシフトさせたりしていた。 【ソーシャルサポート1は、訪間看護師や家族、友人らに支えられていたが、夫の介護協力不足を認知していた。【介護の長期的・短期的影響】は、睡眠障害、うつ症状などの精神的症状や介護への否定感、腰痛・頭痛、持病の悪化などの身体症状として出環していた。 2.1の調査対象者を増やし分析を詳細に行うことと、この結果と先行研究より構成概念・介護負担モデルの検討の必要がある。
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