研究概要 |
厚労省の「授乳・離乳の支援ガイド」では,離乳開始の目安に哺乳反射の減弱が挙げられている。しかし,口唇口蓋裂児は哺乳障害のため離乳開始の見極めが難しく,手探りで行っているのが現状である。乳児対象の臨床検査は簡便なことが望ましく,検査方法の開発では総合的に哺乳機能を評価する必要がある。 以上から,(1)口唇口蓋裂を有する乳児の舌圧と筋電図の同時計測で両者の関連を検討し,哺乳時の舌運動について明らかにする,(2)得られた所見から舌運動を3次元で経時的表示し,これまでの哺乳機能観察で多用された筋電図に代わり,舌圧のみで離乳開始期を判別できる簡便で臨床使用可能なシステムの開発の2点を研究目的とし,研究を開始した。 昨年行った「被験児の選定」と「計測方法の確立」に続き,今年は倫理委員会に研究申請を行い許可された。そのため舌圧計測に取り掛かったが,対象とする被験児が集まらず,予定通りの計測を行うことが困難であった。 一方で,乳歯列期小児の口腔機能に関する研究論文と書籍の分担執筆を行い,発表された。 本研究は,すでにシステムとして確立しており,来年度以降も継続して研究を行う予定である。
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