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2008 年度 実績報告書

カルボニル化合物代謝酵素の網羅的解析によるカルボニルストレス防御系の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19890180
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

遠藤 智史  岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (60433207)

キーワードカルボニル還元酵素 / アルドーケト還元酵素 / カルボニルストレス / 酸化ストレス / 9,10-phenanthrenequinone
研究概要

カルボニルストレスに対する生体防御システムの一つとして反応性カルボニル化合物を減少させる酵素系に着目し、カルボニル化合物還元代謝酵素の網羅的解析を行った。以下に今年度明らかにした点について列挙する。1.AKRIB13は反応性カルボニル化合物を効率よく還元し、特に3-deoxyglucosoneに対するKm値、触媒効率は主酵素として知られているARに匹敵した。AKR1B13は線維芽細胞成長因子(FGF)誘導性のAKR1B8と95%の相同性を示す。そこで、ラット前立腺上皮細胞、腎臓上皮細胞を用いて、FGF-1、FGF-2、ステロイドによる発現誘導を検討してみたが、発現誘導は確認できなかった。一方、数μMの過酸化水素や1,4-naphthoquinoneで優位にその発現は上昇した。2.ヒトCBR4がN末端の移行シグナルの切断を行わずにミトコンドリアに局在するキノン還元酵素であることを明らかにした。さらに9,10-phenanthrenequinone(9,10-PQ)還元時には、スーパーオキシドが産生され、CBR4過剰発現細胞においてはアポトーシスがより強まったことから、これらo-キノンの毒性発現に関与する可能性も示唆された。3.ペルオキシソーム局在性酵素であるDHRS4は、芳香族ケトンに加え、9,10-PQなどのα-ジカルボニル化合物を還元した。しかし、CBR4とは異なり、ex vivoでの9,10-PQ毒性への関与は確認できなかった。これはペルオキシソームに存在するカタラーゼやスーパーオキシドジスムターゼの活性酸素除去効果が原因と考えられた。以上より、これら還元酵素は反応性カルボニル化合物の解毒において、ただ強力な還元能を発揮するだけでなく、カルボニル化合物によって発現を誘導されることで、さらに効果的に生体を防御していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Characterization of a rat NADPH-dependent aldo-keto reductase (AKR1B13) induced by oxidative stress.2009

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Endo
    • 雑誌名

      Chem. Biol. Interact. 176

      ページ: 151-157

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization of human DHRS4 : An inducible short-chain dehydrogenase/reductase enzyme with 3beta-hydroxyste roid dehydrogenase activity.2008

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Matsunaga
    • 雑誌名

      Arch. Biochem. Biophys. 477

      ページ: 339-347

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Human carbonyl reductase 4 is a mitochondrial NADPH-dependent quinone reductase.2008

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Endo
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun. 377

      ページ: 1326-1330

    • 査読あり
  • [学会発表] Characterization of a rat aldo-keto reductase (AKR1B13) up-regulated by oxidative stress2008

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Endo
    • 学会等名
      ENZYMOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY OF CARBONYL METABOLISM 14th INTERNATIONAL MEETING
    • 発表場所
      KRANTSKA GORA, SLOVENIA
    • 年月日
      20080711-20080712
  • [学会発表] ヒトの誘導性SDRファミリータンパク質(DHRS4)の性状2008

    • 著者名/発表者名
      前田 哲志
    • 学会等名
      第72回日本生化学会中部支部例会
    • 発表場所
      岐阜大学 医学部記念会館 (岐阜県)
    • 年月日
      2008-05-24

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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