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2008 年度 実績報告書

多置換芳香族ボロン酸誘導体の新規合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19890182
研究機関静岡県立大学

研究代表者

井川 貴詞  静岡県立大学, 薬学部, 助教 (20453061)

キーワードベンザイン / Diels-Alder反応 / ホウ素化合物 / ボロン酸 / 芳香族化合物 / 位置選択性 / フラン / 鈴木-宮浦クロスカップリング
研究概要

我々は昨年度に引き続き、ホウ素官能基を配向基として用いることでベンザインの反応位置選択性を制御し、多置換芳香族ボロン酸誘導体の新規合成法を開発することを目的として本研究を行ない、本年度は以下に示す成果を得た。
1)ホウ素置換ベンザインと3-アルキルフランのDiels-Alder反応では、ホウ素官能基とフラン由来のアルキル基が隣接位に置換したsyn-付加体が高位置選択的に得られた。本反応はフラン上の3位アルキル基によって位置選択性が発現した初めてのDields-Alder反応である。
2)ホウ素上の官能基を種々変えて2-アルキルフランとのDiels-Alder反応を検討したところ、特に立体的に小さなホウ素官能基を有するベンザインの場合に高い選択性が生じた。本結果は、ホウ素の高配位中間体が位置選択性発現に重要な役割を果たしていることを示す。また、ホウ素官能基として無保護のボロン酸を使用した場合においても高い選択性及び収率で環化体を得ることができた。
3)Diels-Alder反応によって得られた環化体上ホウ素の官能基変換を検討したところ、銅触媒を用いたUllmanカップリングによりホウ素官能基を窒素官能基へ、過酸による酸化反応により水酸基へと変換できた。また、環化体を酸で開環後、鈴木-宮浦クロスカップリングによりホウ素官能基を種々の炭素官能基へと変換することができた。
以上の結果より、ホウ素置換ベンザインと置換フラン類とのDiels-Alder反応により多様な置換形式の芳香族ボロン酸誘導体を選択的に合成した。更に、得られた環化体のホウ素官能基は、種々の置換基へと変換可能であり、本法は多置換芳香族化合物合成法としても有用であることを示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ホウ素を配向基として用いるベンザインの位置選択的Diels-Alder反応 : 多置換芳香族ボロン酸誘導体の新合成2008

    • 著者名/発表者名
      井川貴詞
    • 学会等名
      第34回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 発表場所
      京都テルサ
    • 年月日
      20081104-20081105
  • [学会発表] ホウ素を配向基として用いるベンザインの位置選択的Diels-Alder反応2008

    • 著者名/発表者名
      高木 晃
    • 学会等名
      第54回日本薬学会東海支部総会・大会
    • 発表場所
      名古屋市立大学大学院薬学研究科
    • 年月日
      2008-07-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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