研究概要 |
本研究ではinv mouseにおける胆管発生異常とくに肝内胆管の発生異常、そしてその結果としてのDPMが閉塞性黄疸を来すメカニズムを追究することを目的とした。 平成20年度においては、inv mouseにおけるductal plate malfbrmationと閉塞性黄疸の関連性について、胆管およびその周囲の組織形態学的変化について組織形態学的検討を行った。具体的には、肝実質、グリソン域の炎症およびアポトーシスについて、それぞれNF-kB,Caspase-3抗体を用いた免疫組織化学的手法、PCR法による分子生物学的手法により検索する予定であった。NF-kBについては、invマウスにおいて肝内胆管周囲に炎症細胞浸潤とともにNF-kBの発現を示唆する染色所見を得たが、染色性が安定せず、PCR法にて再度検証を試みることにした。 現在、PCRのためのprimerを準備し、パラフィン固定肝組織切片からtotal RNAを順次抽出し、サンプルを集めている段階にある。 比較対照として、人における胆道閉鎖症の肝切片でのNF-kBの染色性はほぼ安定しており、胆管上皮に染色性を示し、炎症を示唆する所見を得た。こちらもパラフィン切片よりtotal RNAを抽出、サンプルを集めているところである。
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