本研究の目的は、安定期にあるCOPD患者が自らの身体を手入れするための看護援助プログラムを開発することである。本年度は文献検討から具体的な看護援助方法やプログラムの内容について検討していくことを目的とした。文献検討の結果、慢性呼吸器疾患を持つ患者のリハビリテーションに関連する研究は、在宅酸素療法を行っている患者や重症度の高い患者、急性増悪した患者に対する体調管理やリハビリテーションに関する研究は数多く存在するものの、比較的軽度から中等度のCOPDで外来通院をしている患者に対する看護ケアについての文献はほとんど見当たらなかった。そのため、安定期にあるCOPD患者がどのような身体状態にあるのか、また、どのような看護援助を必要としているのか、どのような看護援助を提供できる可能性があるのかということはこれまでほとんど研究されていないことが分かった。そこで、看護援助プログラムを開発していく上で軽度から中等度のCOPD患者の身体的特性ならびにどのような看護援助プログラムが必要であるかを明らかにするための調査を行っていく必要があると考えた。調査内容としては、研究協力者は外来通院をしている中等度のCOPD患者20名程度とし、生体学的測定、インタビューを通して探索的記述研究を行う。次年度は、データ収集の継続とともに、本調査から明らかになった結果をもとに、具体的な看護援助プログラムの検討を行っていく予定である。
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