<本研究の研究成果について> 本研究は1)内分泌療法を受ける乳がん患者の治療中の副作用症状を含めた困難感について2)内分泌療法中の医療者、家族など患者を取り巻く人的・物的環境に対する支援についての希望3)患者教育方法として用いるコーチングの効果である。これら1)〜3)の結果分析より、内分泌療法を受ける乳がん患者に対する患者教育支援モデルを提示することを目的として実施した。 研究活動の結果、目的に掲げた1)と2)については対象者により語られた質的データにより明らかにすることができた。さらに目的3)に掲げた患者教育にコーチングを取り入れたことに対する調査対象者の反応としては、治療を継続するための支えになることや自分自身で目標を立てて生活ができる。などの結果がえられた。医療現場ではこれまでコーチングに関してはあまり活用されてこなかった分野ではあるが、今後さらに理解を深め、患者教育に活用できるように研究活動を進めていくことが重要であることが明らかとなった。また、今後の臨床適応を可能とするものとして看護支援モデルの提示が可能となったが、研究期間が2年間であったことから、内分泌療法が終了する4年後までのデータが不足した状況にあるため、今後も研究活動を継続し看護支援モデルの有効性の検証を目指すことが必要である。
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